ブックタイトルDental Products News229

概要

Dental Products News229

Ni-Tiスプレッダーシリーズの活用Ni-Tiスプレッダー　彎曲根管の側方加圧充填臨床において根管治療を行う機会は多く、根管充?はその最終ステップである。近年、垂直加圧充?を行う先生も増えている。しかし、歯学部の学生実習では側方加圧充填を中心に教育が行われ、わが国では現在も側方加圧充?が主流である。側方加圧充?では特別な装置を必要としないが、スプレッダーの選択がカギとなるので解説する。近年、多くのNi-Ti製スプレッダーが市販されているが、太さ、テーパー、長さなど、形態はさまざまである。これらは柔軟性に富むという特徴から彎曲度の強い根管に適しているといわれている。ステンレススチール（ＳＳ）製スプレッダーは塑造な面から根管内に挿入すると、挿入深度が浅くなり、無理に深く挿入しようとすると先端が曲がることがある（図１）。一方、N i - T i 製スプレッダーはＳＳ製と異なり、超弾性領域が広いため、曲がるなどの永久変形を起こしにくく、長期間使用できる点も評価されている。スプレッダーは太いまたはテーパーが大きいと、根管深部への挿入ができず、根尖部の圧接が不十分となる(図２）。しかし、細すぎるスプレッダーは操作性が悪く非効率である。また、テーパーの小さいスプレッダーは、加圧後根管内から引き抜きにくい欠点がある。適切なサイズの図1先端が曲がって使用できなくなったSS製スプレッダー。スプレッダーの到達位置。適切なスプレッダーで加圧した場合には先端近くまで圧痕がみられる（上，白矢印）。テーパーが大きい、太いスプレッダーで加圧した場合には先端付近まで届かない（下，黄矢印）。図2図3a. Ni-TiスプレッダーREEND11T（細）通常はこれを使用する。c. Ni-TiスプレッダーREENMA5730（30）長い根管用。b. Ni-TiスプレッダーREEN4SP（太）太い根管用。図5 図6図4Ni-Ti製スプレッダーは力を入れると曲がるが（a）、除荷する（力を抜く）と真っすぐに戻る（b）。図5 図6ＴＦアダプティブとエレメントモーター。アダプティブモーションでファイルの食い込みや破折をコントロールする。負荷時に最大50度逆回転する。北村 和夫 日本歯科大学附属病院総合診療科 教授はじめにスプレッダーの選択a b ▲▲abc10 D e n t a l P r o d u c t s N e w s 229