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概要

Dental Products News228

非抜歯保存の追求最終回安全な根管充填を目指して橋爪英城TEAM東京橋爪エンドドンティクスデンタルオフィス?東京都中央区開業根管充填とは無菌、あるいは無菌に近い状態にした根管内を適切な材料で3次元的に過不足なく緊密に充填することで歯髄疾患を治癒に導き、再発を防ぐことを目的としている。海外の教科書では「Entomb:封じ込める」と表現している。しかし、封じ込めに失敗すれば根管充填そのものが新たな病因を誘導してしまうこともある(図1)。従って、充填方法はもとより使用器具や材料に至るまですべてが安全であることが第一に求められる。そこで本稿では「安全な根管充填」をテーマに、システムBの開発者であるDr. L. Stephen Buchanan監修のエレメンツフリーダウンパックとバックフィルを使用した根管充填について解説をさせていただく。安全性を求めたエレメンツフリーエレメンツフリーダウンパックとバックフィル(図2)は、従来のシステムB同様ContinuousWave Compaction(Condensation)Technique:CWCT(図3・4)に使用する機材で、特に衛生面や生体への安全性を考慮した根管充填システムであると筆者は捉えている。そもそもCWCTは長さのコントロールがしやすく、さらに根管充填時のセメント-エナメル境または根尖孔周囲の平均温度上昇が4.1度で、生体への為害性が少ない垂直加圧充填法と言われている。詳細は2015年1 2月号のデンタルプロダクトニュースで述べたのでご参照いただきたい。1ダウンパックの安全性CWCTは根管の狭窄や湾曲によって、ヒートプラガー先端が目的の深さ(根尖より約5ミリ)に到達しない場合、根尖付近の図1医原性の根尖性歯周炎図2エレメンツフリー図3アピカルプラグ形成メインポイント試適カットダウンパック垂直加圧アピカルプラグバックフィル→上顎洞内に穿孔した充填剤と(#16)、根管充填不足(#17)が引き起こしたと考えられる根尖性歯周炎と歯性上顎洞炎。2台同時に充電器の上に乗るのでコンパクトかつスタイリッシュなデザインと言える。根管充填の際は、充電台ごとチェアサイドに持ってきて作業ができる。←ダウンパック根管内に挿入したガッタパーチャの根尖側約5ミリを200度に熱したヒートプラガで加熱・カットし専用のプラガーで垂直加圧する。図4バックフィルバックフィル垂直加圧図5ヒートプラガー図6アピカルプラグより上部を200度に軟化したガッタパーチャを充填する。エクストラファインX FミディアムMダウンパック用ヒートプラガーのバリエーション。ヒートプラガーのバリエーション種類テーパー先端外径(mm)エクストラファインXF0.040.33ファインF0.06ファインミディアムFM 0.08ミディアムM 0.100.56リングスイッチミディアムラージML0.12表1:根管径に合わせてヒートプラガーを選択する。リングスイッチを押したままでも4秒加熱すると自動的に停止する。図7バックフィルカートリッジ図8ワンプッシュスイッチ抜髄根管であれば、大臼歯2本くらいは十分に根管充填できる分量のガッタパーチャが装填されている。カートリッジのバリエーション種類23ゲージ23ゲージヘビーボディ25ゲージ先端外径(mm)ガッタパーチャ0.610.41ライトヘビーミディアム表2:ニードル先端外径は非常に小さく根管への適合性が高い。断熱材バックフィルのワンプシュスイッチ。矢印部分には火傷防止のため断熱材(シリカエアロゲル)が入っている。20 Dental Products News 228