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概要

Dental Products News228

セルフアドヒーシブレジンセメントパーマセム2.0の活用支台築造にレジンセメントを応用する栗原一雄デンタルオフィス武蔵浦和?埼玉県さいたま市開業近年、メタルフリーの概念や審美的な側面によりファイバーポストとレジンコア材の応用が増えてきているのは周知のことであろう。また、ファイバーポストが保険適用となり金属鋳造の支台を使用する頻度が減少しつつある。残存歯質について4壁全てが最低限の厚さを保持し、高さ2mm以上残存している場合、力学的に根管へのポストの使用は必要ないとされている。さらに多くの歯質が保存されている場合、コア材料による強度の差は、その歯牙の予知性を左右しない。問題となるのは歯冠側からの感染である。歯冠側からの感染に対する第一の防御壁としては補綴物と支台歯の強固な接着であるが、第二の防御壁は支台歯質とコア材料の接着面である。そこで接着性でコア材料より優位であるレジンセメントを単体で使用し、表層のコア材料の代用とすることでリークを少しでも防ぐ手助けとする。ただしレジンセメントは弾性係数が少ないため咬合圧に抵抗するために2mm程度の厚さが必要となる。ここではレジンセメントの使用について症例を報告したい。今回使用したレジンセメントはセルフアドヒーシブ機能を持ち合わせているため歯質との接着力は非常に強固なものとなる。ただし、確実な接着を求める場合、歯面並びにポスト材に対し丁寧な接着前処理が必要となることを付け加えておく。症例1ファイバーポスト+レジンセメント+レジンコアフェルールが確実に確保しきれない場合、ポスト部への応力が高くなる事が予想される。その場合ポストの脱離を防ぐために、歯質とコア材との接着力の向上が必須となる。歯根部においてはレジンセメントを応用し、歯冠部においてはレジンコアを応用した。レジンセメントとレジンコアの接着は非常に強固なため接合面の接着力不足は考えなくても問題はあまりない。図1図2図3セルフアドヒーシブレジンセメントパーマセム2.0を活用する。根管充填後、根管内にパーマセム2.0を流し入れる。グラスファイバー製の既製ポストを挿入。図4図5図6光照射を行い重合を促す。図7コア材との接着を向上させるためボンディング処理を行う。図8レジンコアを築盛。余分なポスト部分を削除し概形成を行う。概形成後の支台歯18 Dental Products News 228