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概要

Dental Products News228

歯質に近似しており、嬉しい感触である。切削圧のコントロールに余計な気配りを必要としない。直接築造法の実際築造形成はメタルコアのルールに準じ、破折防止のための工夫はできるだけ応用したい。歯質とレジンコアとの接着力を高めるためには、材料に頼るだけではなく、術者も一手間加えるべきである。専用の手用ダイヤモンドバーで根管内壁を粗造化する(図6・7)。機械的な嵌合力が高まり、接着力の向上を期待できる。マイクロクラックの発生や助長を気にすれば、手用インスツルメントの使用がより安全である。接着にはウエットボンディングタイプのルクサボンドトータルエッチを用いる。ウエットボンディングは残留水分量のコントロールが難しく接着力にムラがあると言われがちだが、完全な乾燥が難しい根管内の接着にはむしろ都合の良いシステムかもしれない。簡易防湿下でファイバーポストとルクサコアZ-デュアルでの支台築造(図8)。歯肉と同縁にマージン設定し(図9)、プロビジョナルをセットする。ラインアングルの明確化マージンと同レベルにある辺縁歯肉を一次圧排で根尖側へ逃がしてから、最終マージン形成である。サルカスの深さが1mmだとしたら、マージンは縁下0.5mmを越えたくない。修復は上皮付着を侵さない配慮が常に求められる。そして適合のレベルは、ショルダーのラインアングルの表現の仕方によって左右される。私は先端16枚刃のカーバイトバーを用い、低回転でショルダーのエッジだけを図7図8切削片を洗浄し接着操作に進む。粗造になった歯面に接着力の向上を期待する。咬合面のカウンターべベルはもっと強調するべきかもしれない。レジン築盛のための隔壁も兼ねる簡易防湿図9図10プロビジョナルレストレーションのマージンは歯肉同縁。適合はラインアングルのあり方で勝負が決まる。呼吸が止まる場面である。図11図12適合精度を高めるために、滑らかなショルダーかつ全周が一線のマージンの表現を目指す。CAD/CAM冠では、その重要度はさらに増すであろう。コメットH375RDFカーバイトバーは決して高回転で使用してはならない。通常の半分ほどが適正スピードである。トルクのある5倍速コントラを低速で使用。16 Dental Products News 228