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概要

Dental Products News227

V. Kim Kutsch, DMDの提言を読み解く:シリーズ第3回シリーズカリエスリスクファクターとしての細菌監修:安井利一先生(明海大学学長)3う蝕は、複雑なバイオフィルムによる歯の疾患で、口腔内pHが長期間低下し、歯から実質的に無機質が失われた結果である。歯は脱灰し、最終的には修復が必要とされるような、う窩が形成される。技術や材料のキムクーチ先生V.Kim Kutsch,DMDアメリカ開業『バランス』の著者フェザーストーン教授が提唱されたCAMBRA TMシステムを医院で実践されている第一人者近年の進歩をもってしても、う蝕は今もなお世界各国のあらゆる人々において、最も高BALANCE患者と歯科医師のためのう蝕管理ガイドクインテッセンス出版発刊定価:2,760円キム・クーチ著頻度に見られる疾患である。歯科医師は昔から、う窩やその他の兆候を見分けることを中心にして、う蝕によるダメージを修復する外科的モデルを重視してきた。このような処置には、単純な充填物、クラウン、さらには抜歯や欠損補綴等がある。今日、歯科医師は依然としてう蝕によるダメージの修復に臨床の時間の大部分を費やしている。近年、フッ化物の幅広い利用が認められ、歯を保護すると考えられているが、う蝕の割合は相対的に変わっていない。多因子疾患に対するこのような外科的モデルの手法は、どの集団においてもう蝕の発生率を変化させていない。キャンブラ(CAMBRA TM ,caries management by riskassessment:リスク評価に基づくう蝕管理)は、う蝕治療への新しい科学的手法であり、損傷の修復に加え、う蝕の原因の特定と原因への対処に重点を置いている。病気の原因を正すことができることで、最終的に患者が自分自身の健康をコントロールできるようになる。う蝕には、既知の確認されたリスクファクターがあり、通常確認できるパターンを示している。このような主なパターンを見分けられると、CAMBRA TMの手順はより簡単になる。典型例としては、唾液分泌量が減少していたり、食生活に問題があったり、口腔細菌による問題を抱えていたり、あるいはこれらのリスクファクターの重複例であったりする。遺伝的体質も、う蝕のリスクには重要な役割を果たすが、現在の知識ベースを臨床に応用できるようにするには、多くの研究が必要だ。唾液分泌量が減少している患者では、通常加齢によるものや処方薬の副作用として、明らかな口腔乾燥症が認められる。一般的に、食生活に関するリスクファクターが顕著な患者は、多くの場合加糖飲料の形で精製糖を取りすぎていたり、日中の食事や間食の回数が多すぎたりする。多忙なスケジュールから、多くの人は時間123修復不可能な歯と複数の隣接面う蝕病変を示す右側の咬翼法X線写真。明らかなう蝕病変に加え、患者の歯には多量のプラークが認められる。記入された患者のう蝕リスク評価フォーム。6カリスクリーンの値は5825と高く、この患者では細菌量がリスクファクターであることが示唆され、彼女には抗菌療法が有効と思われる。12 Dental Products News 227