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概要

Dental Products News226

図11 キャナルメーター誤作動の原因図12 根管長を正しく測る根管充填直後の口内法X線画像。ジャスティ3 . 5を使用することで、根尖孔の位置を正確に測定できた。近遠心頬側根はCWCTで、口蓋根はMTAアンジェラスで根管充填した。図9 根管充填直後X線画像図10 根管充填直後 根管口画像るが、案外見過ごされがちなのが原因3・4である。特に図8~10の症例のように口蓋根の根尖孔が大きい場合、?側の根管長を測定する際に生じやすい現象である。そこで図12の方法をとると測定が安定する。ジャスティ3.5の使用説明書にはISO#15または#20のファイルを使用するよう表記されているが、根尖孔が崩壊している際に電解質の洗浄液が根管内に残っているとメーターが振り切ってしまう。このような時は根管を一旦乾燥させてから過酸化尿素含有のEDTAペーストを満たした後に、根尖孔と同サイズの大きめのファイルを根管壁に接触させながら測定するとメーターが安定する。この時最狭窄部と思われる位置よりファイルをわずかに上下させ、ジャスティ3.5の赤ドットと緑ドットが動きに連動して動けばメーターは適切に作動している。これを数回繰り返す。ジャスティ3.5は微妙なファイルの動きに追随してメーターが動くので測定値の信頼度が高い。根管充填は近遠心?側根はシステムBによるCWCT(Continuous Wave CompactionTechnique)で行い、口蓋根は患者同意の下、MTAアンジェラスを用いて行った(図10)。口蓋根は上顎洞に近接しており根管充填には細心の注意が必要だが、ジャスティ3.5は良好に根尖孔の位置を測定できた(図9)。日本における根管治療の分野はとかく世界の後塵を拝することが多いが、ことキャナルメーターに関しては最先端を走っていると言ってもいい。今後ジャスティ3.5が第四世代のキャナルメーター開発につながるフラッグシップになることを期待したい。最後に筆者が根管長を測定する上で留意していることを列挙する。誤作動を防ぐ方法根管内を乾燥させてから根管内にEDTAペースト(過酸化尿素含有)を満たすとメーター表示が安定する。ペーストが絶縁体になって測定電流のリークを防ぐ。*クランプ周囲の白色物質は防湿に用いた 光重合型歯肉 ・ 隣接歯保護材。1.2.3.4.歯冠が薬液や唾液で濡れていて歯肉側にリーク歯冠が崩壊して歯肉側にリーク複数根管の場合、電解質の薬液を通して隣接する根管に測定電流がリークする根尖孔が壊れている時は太めのファイルを使用する。ファイルが細いとインピーダンスを測定できない①口角クリップをきちんと?粘膜に接触させる。②過酸化尿素含有のEDTAペーストを根管内に満たす時、NaOClが根管内に残存していると過酸化尿素と反応して発泡するため、皮下気腫にならないよう留意する。③根尖付近で測定用ファイルを上下動して、メーターが連動して動くことを確認する。④メーターが根尖を示すにもかかわらず、明らかにファイルが手前に位置する場合は、穿孔または根尖孔の崩壊の可能性があるので図11・12の対策をとる。⑤根尖孔のサイズに合わせたファイルを、根管壁にしっかりと接触させて測定する。⑥たまにファイルホルダーを口角クリップに直接接触させてメーターが正しく作動しているか確認する。(コードの断線の有無をチェック)【根管長を測定するうえでの留意点】4原因:測定電流のリーク6 D e n t a l P r o d u c t s N e w 2 2 6