ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

Dental Products News226

など通電性の無い洗浄液を使用した後、根管内をよく乾燥させないと測定に誤差が生じるとされていた(Endodontic Manual,1986, Muneyoshi Yamazaki)。余談だが残髄がある場合に本メーターを使用すると患者は痛みを訴えるという、副産物的な診断機能があった(図5・6)。1990年代に入りこれらの短所を改善すべく、異なる2つの周波数を組み合わせることによって、根管内が湿潤していても正確な根管長を測定できるキャナルメーターが誕生した。形態も従来のキャナルメーターと比べて小型、軽量化され、時に穿孔部が認識できるなど精度も高くなった。しかしこの第二世代と呼ばれたキャナルメーターは生理学的根尖孔の測定は困難で、Apex位置の電流から電流位置を0.5mmマイナスした点をそれとしていた。第三世代と言われるジャスティ3.5(図7)は、根尖端(Apex)と0.5mm手前のデータを内部に記憶することで正確に生理学的根尖孔の位置測定が可能になった。さらに赤と緑のドットは正確に0.15mmと0.1mmをそれぞれ表示しているので根尖付近のファイルの動きを精密にモニター上で確認することが可能である。図8~10は歯性上顎洞炎を伴った左上6に対して根管治療を行った症例である。通法に従って根管治療を進めるにあたり、ジャスティ3.5を使用して根管長を測定した。近遠心?側根は#15のMMCファイルで測定ができたが口蓋根は根尖が大きく崩壊しているため根管内にEDTAペーストを満たした後(理由は後述)、#70のファイルを根管壁に沿わせながら根管長を測定した。ここで本症例のように複数根管で一部の根尖孔が崩壊しているようなケースで起こりがちな測定電流のリークによる誤作動について解説する。ファイルを根管に入れた途端にメーターが振り切ってしまい、思うように測定ができないという経験は誰にもあると思う。図11・12にこのようなことが生じる原因と解決方法を示した。測定電流のリークの原因(図11)の1・2は、隔壁やラバーダム防湿をすることで回避でき図8-1: 歯肉からの排膿を主訴に来院。瘻孔からガッタパーチャポイントを挿入してレントゲン撮影。図8-2・3: CBCTでは歯性上顎洞炎を引き起こしていることが確認できる。 ジャスティ3.5は、根尖端(Apex)と0.5mm手前のデータを内部に記憶することで、正確に生理学的根尖孔の位置把握が可能になった。図7 ジャスティ3.5図8 症例:38歳位男性、初診時の口内法レントゲンとCBCT画像新時代の根管長測定器キャナルメーター誤作動の原因ジャスティ3 . 5を使用した根管長測定の様子を動画でCheck!※動画を閲覧するためには、DNAヨシダ友の会登録が必要です。D e n t a l P r o d u c t s N e w s 226 5