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概要

Dental Products News226

クインテッセンス出版発刊 定価:2,760円BALANCE 患者と歯科医師のためのう蝕管理ガイド キム・クーチ著V. Kim Kutsch, DMDの提言を読み解く:シリーズ第2回カリエスリスクにおける食習慣シリーズキムクーチ先生V.Kim Kutsch,DMDアメリカ開業 『バランス』の著者フェザーストーン教授が提唱されたCAMBRATMシステムを医院で実践されている第一人者う蝕は、複雑なバイオフィルムによる疾患であり、持続的なpHの低下を特徴とし、歯からミネラルが実質的に失われた結果である。歯が脱灰し、最終的にう窩が形成されると、修復が必要になる。器具、診断や材料は進歩したものの、う蝕は、あらゆる国のあらゆる集団で、最も高頻度に認められるヒトの疾患である。従来から、歯科医は直近に歯に生じた実質欠損を外科的に修復するスタイルを専らとし、臨床の時間の大半を、う蝕の治療に割いてきた。しかし、このような方法では、う蝕の発生率が改善することはない。CAMBRATM(キャンブラ)、すなわち、リスク評価に基づくう蝕管理は、う蝕治療への新しい医学的アプローチであり、実質欠損の修復に加えて、う蝕の発生原因の特定と原因への対処に重点を置いている。疾患の原因を修正できるようになれば、患者は自分自身の健康を管理できるようになる。う蝕のリスクファクターは明らかにされており、う蝕の発現の仕方にはいくつかの一般的なパターンがある。これらの主なパターンを理解していると、CAMBRATMのプロセスはより簡単になる。一般に、患者は、唾液分泌が減少していたり、食事に問題があったり、口腔細菌の問題を抱えたりしている。唾液分泌が減少している患者は、通常処方薬の副作用であることが多く、明らかな口腔乾燥を示している。食事に問題がある患者は、大抵、精糖を摂り過ぎており、その場合、加糖飲料の形で摂取されていることが多い。また、一日を通して食事や間食の回数が多すぎる場合もある。このような患者は、通常、複数の病変が口腔内に一様に認められる。3過去の咬翼法X線写真では、う蝕の初期    2カリスクリーンの値が高く、この患者にとって細菌負荷がリスクファクターであることが示唆されたため、抗菌剤療法が有効と思われる。61歯周病の検査結果から、患者の歯周病のリスクは低いことが明らかである。患者の口腔内には、複数のう蝕病変が全体にわたって一様に認められる。25↑ 患者の記入済みう蝕リスク評価フォーム日本語版う蝕リスク評価フォーム →カリエスリスク評価フォーム 6歳以上~1つ以上当てはまる場合は、ハイリスク。唾液検査を行う。※1疾患指標 視診あるいはX線で確認可能なう蝕(象牙質侵食)X線上で確認できる隣接面う蝕(エナメル質)歯面上のホワイトスポット(1歯以上)3年以内の保存修復治療(CAMBRA推奨処置実施下での保存修復の場合は1年以内)リスク因子 カリスクリーン1500以上または多数のミュータンス菌とラクトバチルス菌(培養検査)視診可能な多量のプラーク※2日に3回以上の間食深い小窩裂溝(1歯以上)唾液分泌量が少ない(0.5mL/分以下)唾液分泌を減少させるような要因(放射線治療・服薬・全身疾患など)根面露出(1歯以上)矯正器具の装着防御因子 日に1回以上のフッ化物配合歯磨き粉使用日に2回以上のフッ化物配合歯磨き粉使用0.05%以上のフッ化物配合マウスウォッシュ使用歯科医院における過去6ヶ月以内のフッ化物歯面塗布医師によるクロルヘキシジンの処方と過去6ヶ月以上の使用※3キシリトールガム(シュガーフリー)の使用 4タブレット/1日×6ヶ月過去6ヶ月以上のカルシウムおよびリン酸配合歯磨剤使用唾液分泌が多い(1mL/分以上)□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□患者氏名:                カルテ番号 :初診/再診※1 カリスクリーン検査結果(0-9999)唾液検査:培養結果        MS        LB唾液検査結果:分泌量              mL/分※2 目安としてPCR50%程度※3リスクレベル           ロー ・ ミドル ・ ハイ ・ エクストリーム担当医:              日付: □ □□0.12%または0.2%のグルコン酸クロルヘキシジンは、現在日本の法律下では使用できない。アメリカで行われている1日に1回のクロルヘキシジン(0.12%)での洗口の代わりに、日本で使用可能なクロルヘキシジンを用法に応じた使用方法で1日に2回洗口を薦める。但し現状、濃度0 .05%での臨床的効果は証明されていない。米国と日本では使用可能な製品および治療方法が異なるため、日本向けCRTフォームは米国のオリジナルフォームと異なる。日付:監修:安井 利一先生(明海大学 学長)16 D e n t a l P r o d u c t s N e w 2 2 6