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概要

Dental Products News225

さまざまな口腔環境を意識したサブソニックブラシシステム「ユリー」の使用法を考察する歯科医師が活用するユリーを用いた日常臨床岩田卓也東小金井歯科/東京都小金井市開業歯科治療はバクテリアとのせめぎ合いを常に強いられる。筆者がこの事実を意識し始めたのは、歯周病と歯原性菌血症との関連性を学んだ時である。歯周病と心疾患や脳血管障害、誤嚥性肺炎などとの関連性はもはや周知の事実であるが、口腔という消化器官には、歯肉溝という体内(間葉系組織)への入り口の存在があり、歯周ポケット化する過程でバクテリアや起炎性物質の侵入が容易に起き、慢性の持続性炎症が歯周組織のみならず、全身への波及へと繋がるという病因論こそ、より考慮せねばならないのであろう。また、昨今、口呼吸による外来性異物の侵入、特に血管が豊富なリンパ組織である扁桃腺への付着による体内への様々な慢性炎症の原因になっているということも認識されつつある。このような病因を常に意識しなければならないのが歯科医療であると筆者は考えている。そのような折に、筆者はヨシダより発売されているサブソニックブラシシステム「ユリー」の存在を知り、日常臨床に非常に活用するようになった。前述の通り、歯科治療は口腔内細菌の存在下で観血処置等の治療を行う必要性があり、処置前にはバイオフィルム含め、バクテリアの存在を可及的に減少させることは、歯周治療のみならず有意義と考える。筆者は、治療のみならずメインテナンスなども自らが行うことが多く、処置には効率を求めることを意識している。そこで今回は、筆者のユリーの使用法を紹介したい。図1ユリーハンドピース1Fブラシ小2Fブラシ大3Mブラシ小4Mブラシ大ユリーブラシ4種類成人メインテナンスでは2と4が水が飛びにくく使いやすい。薄いステイン除去には4が向いている。4使用時は、毛足が短いため金属部分が歯牙に当たると不快なため注意が必要。症例1:多数歯にわたる補綴治療後図2図3多数歯にわたる補綴治療後のメインテナンス患者さん。セラミックオンレーなどの歯肉縁上マージンによる補綴物の維持は、適合精度の重要性や適応症の評価などから考えても改めて難しさを感じる。図4図5ジルコニア(図3 76)も研磨が不完全ならメタルセラミックの研磨面に比べプラークの付着が起こりやすい。ユリーを注水下で使用。3分足らずで清掃できる。4 Dental Products News 225