ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

Dental Products News225

D r.K OJIMA’S VoiceVol.1「初診の診査から歯内療法に至るまで」小嶋壽東京都中央区開業初診時の患者様の訴えを良く聞く患者様の言葉から考える口腔内を診る「一か月前に前歯の治療をしたところが、いやな臭いがして気になった。膿と腫れがあり、当たると痛い」とのことで、主訴の歯は#1 1と# 2 1だなと思うことができる。この前歯は、30年前に見た目が気になり根の治療をして前歯を被せ、5 ~ 6年前にクラウンを被せなおした。他医院で、歯を抜いてブリッジかインプラントにした方が良い、と言われて来院したとのこと。嫌な臭いがしたと言うことは、根尖付近からの膿が口腔内に出る瘻孔から排膿したものからの臭いか、または歯頸部付近の歯周炎などの影響による炎症からの臭いかが考えられる。膿と腫れがあるということは、その両方のどちらかであることが解る。当たると痛いというのは、噛んで上下の歯が当たると痛いことで、臼歯の嵌合時に前歯も当たり、痛いのだろう。口腔内を診ると、上下左右どの歯を見ても上顎前歯以外は有髄歯で、それぞれの植立も良いように見える。歯肉も極めて健全であり、悪いようには見えない。しかし上顎前歯に目を移すと、そこだけが別人の歯と歯肉のように見える。# 1 1、# 2 1に被せてある焼き付けクラウンは連冠になっており、クラウンのカントゥアーが悪く、ずんどうの「下駄」のように見える。図1術前の口腔内。上顎前歯の愁訴。図2前歯部下方観。前歯が当たると痛むと訴えている。図3上顎前歯以外はほとんど健全のように見られる。達人プラス成図4達人プラスを使ってプラークチェックとプロービングのデータを記録する。図5達人プラスの歯周検査でもデータは大変良い。図6全体に真四角でクラウンカントゥアーも悪く、歯頸部歯肉は炎症傾向。コンピュレイエクスクルーシブ図7前後の歯と比べると形の違い,歯肉の状態の悪さが良く解る。図8そこでデジタルⅩ線コンピュレイで前歯を撮る。図9#11、#21の画像。どちらも骨植が悪く、特に#21は骨に触っている感じ。22 Dental Products News 225