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概要

Dental Products News225

“外科的歯内療法”も正解の選択肢に含まれていた。しかし、現在の出題基準ではこの判断は術者側の都合であり、あくまでも患者の立場から考えれば、補綴物の除去と再根管治療が第一選択肢であるとされていることは、もっともである。ではこのような症例ではどのように再根管治療に臨めば良いのであろうか。結論を先に述べるならば、歯冠補綴物を除去せずにポストコアのみを除去し再根管治療を行うことはできるのであろうか。本稿ではこのような症例に対応すべく有力な手助けとなる“LAアクセス2.0キット”ダイヤモンドバーセットとその使用方法についてご紹介する。症例2:連結された歯冠補綴物とメタルポストコアが装着された歯の再根管治療図9・10・1 1図9:正面観図10:咬合面観本症例では#14から#23まで連結した陶材焼付冠とメタルポストコアが装着されている症例である。図11:術前デンタルX線写真図12・13プレパレーションの様子を動画でCheck!LAアクセス2.0キットのクロスカットカーバイトバーで陶材冠の口蓋側にアクセスキャビティプレパレーションを行う。メタルポストコアが見えてきたら同キットの#4ラウンドカーバイトバーを用いてメタルポスト断面と根管内象牙質との境界を露出させる。ポストコア断面が大きい場合は#6から使用する。図14図15メタルポストコアの直径が#4ラウンドバーと同等になってきたら#2を使用してポストコア中心部から根尖方向に切削していく。根管内に残存するメタルが小さくなってくるとラウンドバーの回転力によってメタルが外れてくる。最後はエンド用の超音波チップを使用しても良い。図16図17メタルポストのみが完全に除去された根管内。根管内にはポストコア合着に使用したセメントが残存しており、象牙質を余剰に切削することなく除去できたことがわかる。あとは通常通り再根管治療を行えば良い。根管充填直後のデンタルX線写真。メタルポストを除去する際に根管内象牙質はほとんど切削されていないことがわかる。本症例におけるメタルポストコアは比較的短めのものではあったが、LAアクセス#2、4、6ラウンドカーバイトバーはロングシャンクなのでミラーテクニック下でも距離感を掴みやすく、さらに長めのポストコアであっても最後の最後に届かない、ということは筆者の経験ではまだ無い。日常の臨床において無くてはならないバーセットであることを敢えて強調したい。※動画を閲覧するためには、DNAヨシダ友の会登録が必要です。※図12~16はすべてマイクロスコープ映像Dental Products News 224 15