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概要

Dental Products News225

非抜歯保存の追求シリーズ1根管拡大形成の前処置におけるLAアクセス2.0キットの有効活用橋爪英城TEAM東京橋爪エンドドンティクスデンタルオフィス?東京都中央区開業根管治療の一連の術式について計4回の特集記事を寄稿させていただくことになった。第1回目はいかに根管治療をやりやすくするか、そして成功に導くか、をテーマに根管拡大前の前処置について著者が、日常留意しているポイントをご紹介する。全ての歯科治療に共通することだが、根管治療においても術野の確保、すなわち視認性を向上させることは、根管治療を成功に導く上でとても重要である。基本的には図6に示したように1方向から全ての根管が視認できることが理想である。特に上下顎大臼歯部の近心根は解剖学的にもインスツルメンテーションが困難になることが多く、治療を行いやすくするための便宜的な形態をアクセスキャビティーに付与する必要がある。一方、再根管治療の際は歯冠補綴物やポストコアなどは除去して行うことが原則だが、連結した歯冠補綴物や長いポストコアが装着されている場合は再根管治療を行うにあたり二の足を踏んでしまうことも多々あるであろう。一昔前の歯科医師国家試験では長いメタルポストが装着されている根管処置歯が再発した際の処置方針は症例1:LAアクセスダイヤモンドバーによるアクセスキャビティープレパレーション図1・2・3・4図4図1:デンタルX線写真図2:CBCT画像図3:咬合面観図4:#2,4,6髄室開口用右根管口明示・エンド三角の除去用患歯#26:本症例のように石灰化が強く髄室が狭い症例(図1・2)では咬合面からいちばん近い近心髄角へLAアクセスラウンド#2で穿通した後に、同ダイヤモンドバーでアクセスキャビティの外形形成を行う(図3黒線)。先端径0.2ミリはダイヤモンドコーティングされていないので髄床底を傷つける心配が無い。余談だが上顎大臼歯の病巣はデンタルX線写真(図1)では?骨突起や上顎洞などの影響で病巣が写りにくいためCBCT(図2)撮影は診断に重要な役割を果たす。図5・6#2 #4 #6図5:切削図6:赤線外形LAアクセスダイヤモンドバーの先端を近心?側根管口に置き、そこを支点に近心?側咬頭から隣接面方向に拡大する(図6赤線)。バーのシャフトが長いためミラーテクニックで拡大する際も視野の確保がしやすく距離感をつかみやすい。また.06テーパなのでNiTiファイルによって根管拡大を行うにあたって髄室に適度な角度を付与することができる。図7・8図7:術前図8:根管充填後石灰化によって髄室が狭く、さらにエンド三角が鋭角なため根管口は遠心方向に向いているので根管口明示は難を要する(図7:黄線)。アクセスキャビティーを近心?側咬頭方向に拡大して(図8青点線)、その後テーパーの大きなNiTiファイルなどでエンド三角を取り除く(図8:赤線)とその後の根管拡大形成や根管充填が行いやすくなる。14 Dental Products News 225