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概要

Dental Products News225

かある。これらのパターンを認識できると、CAMBRA TMの過程をさらに単純化できる。典型的な例として、患者は唾液分泌量の低下や食事性の課題あるいは、口腔細菌の問題を持っている。こうしたパターンのそれぞれがCAMBRA TMの過程で明らかになると、治療戦略の標的をう蝕の原因に置けるようになる。患者は外来受診した46歳の女性で、年平均2ヵ所のう蝕病変の既往がある。患者によれば、歯磨きとフロッシングを1日2回行っている。そして、不安とうつ病に対して2種類の薬剤を服用している。う蝕リスク評価フォーム(CariesRisk Assessment Form)では、う蝕の既往、処方薬の常用、フッ化物配合歯磨剤の使用を報告している(図1)。患者には、現存歯の多様な修復と欠損歯がみられる(図2~4)。プロービング値の状況から、歯周病のリスクは低いことが分かる(図5)。歯の摩耗は年齢相応である。患者のう蝕リスク評価フォームには、日中や夜間に口腔乾燥を来すことがあると記されている。カリスクリーンの値が低いため(図6)、抗菌薬による治療は有効ではないと考えられる。CAMBRA TMの診断によれば、この患者ではう蝕のリスクが高く(図1)、その原因は薬剤の使用に続発する唾液分泌量の低下にある。このことを患者と話し合い、健康的な食事と適切な水分補給の重要性など、患者のリスク因子の低減に役立つ治療計画について情報提供を行っている。患者は唾液分泌量の低下に起因する口腔内のpHバランスの改善を促すため、歯磨剤をCTx3ジェルの1日2回使用に切り替えているところである(図7)。また、口腔乾燥症状を緩和し口腔内の中性化を促すため、必要に応じて日中や夜間にCTx2スプレー(図7)も使用している。う蝕と欠損歯の修復後は(図8・9)、CAMBRA TMプロトコルによって患者の健康とう蝕のない状態が維持されている(図10)。45臼歯欠損、複数の修復、およびグラスアイオノマーセメント修復失敗がみられる初期の咬翼法X線写真。歯周病の検査結果から、患者の歯周病リスクは低いことが分かる。8910適切な修復が行われ、新たなう蝕病変がないことを示す最近の咬翼法X線写真。適切な修復が行われ、新たなう蝕病変がないことを示す最近の咬翼法X線写真。健康でう蝕のない笑みである最近の口腔内写真。Dental Products News 225 11