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概要

Dental Products News224

MMC Kファイルを活用するMMC Kファイルの活用倉富覚、くらとみ歯科クリニック/福岡県北九州市開業臨床で対応に苦慮する閉鎖根管感染根管処置において、垂直的には根尖孔部の歯根膜と接する位置(電気的根管長測定器でAPEXを示す位置)までファイルを到達させることができれば、根尖病変が治癒する確率が格段に高くなる。根管内に存在する起炎因子の代表格である細菌は、バイオフィルムを構成しており、それらの除去には機械的清掃が最も効果的であることがその理由としてあげられる。ところが、根尖病変が存在しているにもかかわらず、根管が途中で閉鎖しているために、理想的な位置までファイルを進めることができないことを臨床のなかでは経験する。そのような時、ファイルが到達するところまで根管拡大をして「あとは貼薬の薬理作用に期待しよう」などと、得てして安易な方向に流されがちである。しかし、この「ファイルが到達するところまで」という位置は、術者の技術によっても左右され、明確な基準がないために、一抹の不安を抱えた状態で補綴処置に移行することになる。根尖部を穿通させるためには根管口付近の歯質の整理(アクセスキャビティ)が非常に重要となる。根管口のフレア形態ができていないと、ファイルが進んでいかないため、まずは適切なアクセスキャビティを形成することから始まる。その事ができたうえで、いよいよ根尖部を穿通させていくわけであるが、#15サイズのファイルでは穿通できない根管が#10、#8、#6のような小さいサイズのファイルなら穿通できることも多く経験する。#1 5より小さいサイズのファイルは根管治療に必須であるといっても良い。穿通できないとあきらめかけた根管が・・・ところが、これらのファイルは径が細いためにコシがなく、少しでも本来の根管と違図1MMC Kファイル指にフィットするエルゴノミックデザイン採用のハンドル部は、手指に伝わる情報の違いを実感できる。#6,#8,#10,#15の4つのサイズとそれぞれ21mm、25mm、29mmの長さのものがラインナップされている。図3根管内の状態副根管の根管口メタルコアを除去した際の根管内写真。前医によるアクセスキャビティは狭く、頬舌的な拡大不足が認められた。マイクロスコープを用いて、舌側に副根管の根管口を発見した。根管口が狭窄していたため、MMC Kファイルの#6を用いて、ネゴシエーションを行い、電気的根管長測定器でAPEXを示す位置まで、ファイルを穿通させることができた。前医によって根管充填がなされていた主根管のGPは残したまま、副根管の根管拡大を終了した。症状が消失したことを確認した後に主根管のGPを除去し、2根管の根管充填を行った。12 Dental Products News 224