ActiBookアプリアイコンActiBookアプリをダウンロード(無償)

  • Available on the Appstore
  • Available on the Google play

概要

Dental Products News223

CAMBRA TM検査からホームケアまで当院におけるCAMBRA TMシステムの実践椙岡宣好歯科医師すぎおか歯科クリニック/石川県金沢市黒田貴代江コーディネーター/歯科技工士見田知/歯科衛生士予防歯科を実践するべく25年前から北欧の予防歯科学を取り入れ、唾液検査とレーダーチャートによるリスク管理、定期的なメインテナンスの実施、ホームケアでのプラークコントロールの徹底に取り組んできた。しかしながら患者のモチベーション維持やリスク管理、歯科衛生士の経験やインフォームドコンセントの難しさを実感してきたことも事実である。昨年、新人歯科衛生士が長年定期メインテナンスに通院されている患者にPCR値などを含む検診結果を報告したところ「あなたに何がわかるの?」と指摘を受ける出来事があった。予防歯科とは歯科衛生士が主体となるべき診療であり、患者からの信頼がなければ成り立たない。それは新人であったとしてもである。この出来事をきっかけに、誰がやっても信頼性があり、客観的でシステマチックなCAMBRA TMを導入することとなった。CAMBRA TMは、(Caries Management ByRisk Assessmentリスク評価に基づくう蝕管理)UCSFの歯学部長であるフェザーストーン教授が提唱し、現在世界50ヵ国で採用されている予防システムである。さまざまな観点からカリエスリスクを評価し、リスク排除のために何が必要なのか?プロトコールに基づいている。3回/日×365日=1,095回のブラッシングのうち、医院でのプロフェッショナルケアはわずか4回程度であり、医院だけでう蝕管理を完全に行うことは難しい。予防歯科とはいかに患者の「行動変容」を起こし、ホームケアを徹底できるかにつきる。患者の「行動変容」を起こすためには、それぞれの患者のリスクを術者が的確に把握したうえで、いかに患者を納得させ、客観的に、科学的根拠に基づき説明ができるか、リスクに応じた個別の指導ができるかが求められると考えている。当院でCAMBRA TMが確立してからまだ数ヶ月ではあるが今回ここに紹介をしたい。●?まず院長が初診時にカリエスリスクが高そうな患者に対してCAMBRATMシステムを勧める。●?改めてCAMBRA TMシステムについて紹介する。「一般論ではなく、あなたのカリエスのリスクをきちんと把握することで、あなたに対する処方ができる」ことを説明し、食事の傾向を次回までに問診票に記入してもらう。食習慣問診票→なぜカリエスリスクが高いのか?は人それぞれである。「すぎおか歯科クリニックオリジナル患者用説明ツール」をクリニックで製作し、リスクを見極めることが重要であると説明を行う。CAMBRA TMでの検査に同意が得られたら、食習慣についての問診票を記入してきてもらう。●? 2回目のアポイント時に検査を行う。カリスクリーンを用いて細菌数の検査を行う。15秒で検査結果が数値でわかるため患者が理解しやすい。カリスクリーン専用スワブで下顎前歯舌側6本を軽くなぞる。スワブを軽く振る。カリスクリーンにセットする。約15秒で検査結果が数値として表れる。6 Dental Products News 223