ブックタイトルDental Products News223
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Dental Products News223
斜切痕があり、その下に象牙質と同じ硬さの突起物が見受けられる。突起物内部には空洞はなく、充実性のものだということが解る。患者の他の部位には歯周病の傾向は見られず、この部位のみ垂直性の骨欠損がおこったのは、口蓋側の斜切痕からの細菌の侵入および象牙質様の突起物による歯周環境の悪化による感染だと思われる。根管治療終了後、エムドゲインゲル、骨補填材を用いて再生治療を行う。左上2・3間の歯間距離が2mm以下のため、Simplified Papilla PreservationTechniqueを用いて乳頭部の切開を、R審美性とフラップの血流を考慮し左上犬歯の遠心部に縦切開を行い、粘膜を剥離、翻転した。剥離後、デブライドメントを行い、突起物も除去する。その後、出血をコントロールRした後に根面を処理し、エムドゲインゲルを塗布、骨補填材を充填し、その上に吸収性膜を設置した。12か月後、ポケットは3mmになり腫れや出血が認められないため、シリコン印象材にて印象を行い、オールセラミッククラウンにより修復を行った。術後は良好に経過。1年後に、デンタルX線およびCTを撮影。デンタルX線においては、再生治療後は良好な結果を得ている。CTにおいても、皮質骨と海綿骨に分かれており、骨はリモデリングのサイクルに入っていると思われる。ポケットも3mmであり、出血も見受けられない。今回、ファインキューブで解像度の高いCT撮影を行うことによって、デンタルX線では読影できなかった形態と構造を把握できたことによって事前に処置方針を判断可能となり、適切な再生治療を行うことにより、一時は抜歯と判断された歯を保存することができた。これからも日常臨床にCTを応用することにより、的確な診査・診断、治療を心掛けていきたい。図12図13図14骨補填材を填入した。吸収性のメンブレンで欠損部位を覆う。R隣在歯にもエムドゲインゲルの塗布を行う。図15図16図17緊密で的確な縫合を行う。図18術後のデンタルX線。図19術後12か月。術部に炎症は認められず、ポケットも3mmとなり安定している。図20ジルコニアオールセラミックにて補綴治療を行った。図21術後2年。ポケットは3mmで安定し、出血も認められない。図22術後2年。唇側のボリュームも保たれている。図23術後2年のデンタルX線。術前に存在した不透過像は認められない。術後2年のCT。術後2年。2遠心部の断面像。再生療法を行った部位は、皮質骨と海綿骨に分かれ、リモデリングのサイクルに入ったと考えられる。Dental Products News 223 23