ブックタイトルDental Products News223
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Dental Products News223
歯科用根管拡大装置ジロソニック/コードレス加熱根管充?システムシステムB/ MTAシーラーM T Aフィラペックス解剖学的形態に留意した根管治療の重要性宮地栄介宮地歯科医院/大阪府高槻市開業歯内療法において重要な処置として、根管拡大・形成、根管洗浄、根管充填がある。現在は拡大鏡や、マイクロスコープ、CTなどの機器の発達により、明視野化が進んでいる。しかしそれらを用いても管間側枝等すべてが見えるわけではない。根管拡大・形成を行うにあたり最も重要なことは、根の解剖形態の把握である。先人たちは我々に歯の解剖について様々な指標を与えている。それらを踏まえ、デンタルエックス線画像を利用し、治療必要歯の形態をイメージしながら治療を進めていくこ図1とが大切である。例えば下顎中・側切歯は2根管性分岐を示すことがある(10~35%)。※1筆者が2012年に下顎中切歯と側切歯の計48本をレントゲン撮影したところ、2根管に分岐している歯は18本存在した。これは31.25%が2根管に分岐していたことになり、非常に高い確率である。図1は実際にレントゲン撮影した歯のうちの1本である。臨床においてこの知識を持たずに臨むと、下顎前歯部の髄室開拡を行う際に切縁を避けてアプローチを行うことが多いため、舌図2側根管を見落とす可能性がある。図2の症例は実際に舌側根管が見落とされ、根尖病変を伴っている。再根管治療を行い、舌側根にアプローチすることで根尖病変の改善が認められる(図3)。またCT画像において2根管ともに充填がなされていることが確認できる。(図4)根管内の無菌化を図るためには徹底した根管洗浄が非常に有効である。根管内はこの墨汁注入標本(図5)のように複雑な形態をしているため、機械的拡大だけで無菌化を図ることは難しく、根管洗浄が非常に重要で図3下顎前歯のデンタルエックス線画像。2根管に分岐している。1の根尖部に歯冠大の透過像を認める。2根管に分岐しており、見落とされていた舌側根にもアプローチし、根尖病変が消失後、根管充填を行っている。図4図5CT画像で舌側根にも緊密に根管充填がなされている。墨汁注入標本より根管形態の複雑さが理解できる。※2図6図7図8ジロソニック。1,500~3,000Hzの発振数で根管拡大・洗浄を行う。ジロソニックとシェーパーソニックを用いた後の歯冠側3分の1の電子顕微鏡像。象牙細管の開口が認められる。(2000倍)根尖側3分の1のスメア層除去効果。象牙細管の開口が認められる。(2000倍)※3※1『エンドドンティクス』著者:須田英明ら、末永書店※2加藤穣治.CHAPTER10歯根と根管の形態学.In:月星光博,福西一浩・編著.治癒の歯内療法新版.クインテッセンス出版.18 Dental Products News 223