ブックタイトルDental Products News223
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Dental Products News223
者を迷わせる一因である。アダプティブモーションは、ファイルにかかる負荷によって、TFアダプティブファイルの根管内での回転力・方向を調整する。切削粉の除去とファイルが食い込むリスクの軽減につながるモード、軽負荷時には600度正回転の繰り返し、負荷時には370度回転で負荷が増すと逆回転50度の反復運動を繰り返す。ただ、この負荷時に逆回転で最大50度の瞬間、手指に伝わるモーターからの反動が大きいため、予測していなかった手指感覚が伝わる。この手指感覚に慣れてしまえばエレメントモーターを使いこなせると思う。欠点として、この手指感覚に慣れるのに時間がかかるということ。更にこの逆回転がかかったファイルは、2度使ってはいけないということだ。図4Aのファイルが捻転した様子を見て欲しい。このファイルの捻転を確認することなく使用を数回続けると破折を起こす。幸い、この破折は抜去歯でトレーニングを行っていたので一命を取り留めたが患者さんの口腔内で起きれば、現在は訴訟の対象になりかねない。では、どの程度の捻転でNi-Tiは破折をするかである。図4Bの延びたファイルを確認して欲しい。次のステップに、数症例狭い根管で使用すると直後に破折することを確認した。TFアダプティブは、柔軟性と切削粉の除去に優れたR相Ni-Tiを使用して、同時にねじり加工により耐久性を向上したと記されている。最後の欠点は、この柔軟性が臨床において術者の勘所である。このNi-Tiファイルは、非常に便利であるかわりに、癖のあるファイルと癖のあるモーターの組み合わせで便利にしている。術者が一番嫌う、Ni-Tiファイルの破折。この感覚は、Ni-Tiファイルの先端に負荷がかかる度にファイルの形状を確認することで防ぐことができる。簡単に言うと、ファイルが破折される一歩前に教えてくれるファイルであるということだ。臨床で使う前に湾曲根管と思われる抜去歯牙で三本程練習することを推奨する。この癖のある動きは、たった三本の抜去歯牙で根管治療を好きにさせてくれるであろう。図10症例:14歳女性図11修復象牙質の少ない年齢でチャンバーオープンは容易である。このような低年齢層や初期のカリエスには、TFアダプティブファイルのMLタイプが有用である。根充後、頬側根管が近似しているため近心投影により根充を確認。過不足なく根充されていることがわかる。このケースにおいては、TFアダプティブファイル(ML)の青、黄、赤を使用。以下に手順とポイントを示す。図12抜髄にあたってのステップ図13第一のステップ第二のステップ歯冠部歯髄の除去、根管口の明示(第四根管の明示。根管数の明示、イスムス、フィンの明示)ファイルに接する部位の探索(湾曲部位やエンド三角などファイルに抵抗になる部位の探索)第三のステップ探索した湾曲部位やエンド三角に対してストレートに形成する器材の選択(第一、第二の時点で根管孔を探すとファイルには大きな負担がかかる)歯冠部歯髄の除去を行ったところ。この時点で根尖の穿通などは避ける。理由は、エンド三角がある状態でリーマーの挿入は、Ni-Tiファイルのみでなく全てのファイルの破折の原因になるからである。図14図15歯冠部歯髄腔の形態を確保。湾曲部位やエンド三角の探索後、ファイルに抵抗のある部位を除去する。建築で言えば足場づくりである。足場を作った後の作業は効率が良い。その後青ファイルを挿入、この時全体に掛かる抵抗は少ない。青→黄→赤ファイルと順番に行う。赤ファイルでアピカルシートの完成まで行えることが、T Fアダプティブファイルの特徴である。この状態で洗浄、乾燥を行えば、根管充填まで可能で非常に簡単である。16 Dental Products News 223