ブックタイトルDental Products News223
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Dental Products News223
いることにより様々な根管に利用できるようにシステマチックに各種のファイルが取り揃えてある。ただ、この多種多様なシステムがNi-Tiファイルに移行しづらい多くの歯科医師の意見である。手用ファイルは、学生時代から決められた規格で長年愛用し続けている。そのシステムに勝つことは非常に難しい。今回商品化されたTFアダプティブファイルは、その長年愛用してきた手用ファイルをさらに簡易的にしたものなので、覚えなければ使えないという他のNi-Tiファイルとは全く違うものである。?わかりやすいカラーコード信号機と一緒はイメージし易い。各種既存メーカーのカラーコード、ISO規格に近似しているパターン、同一なパターンだがテーパーが違うなど、組み合わせで使うと何十のパターンを記憶しなければ使うことができない。例えば、上顎中切歯に対しての根管形成と臼歯の根管形成に同一のNi-Tiファイルを使っているとは限らないのだ。そんな時にいつでもどこでも使えることが重要である。青ではじまり、黄色で確認、赤でストップ。非常にわかりやすい使用手順である。?根管形成の時間先も述べたように、手用ファイルの良いところは、穿通の容易な根管なのか抵抗が大きい根管なのか手指感覚で伝わることが大きなメリットである。Ni-Tiファイルの有用性は様々な各種メーカーの努力によって異論はない。しかし、上顎犬歯の根管形成と上顎大臼歯の根管形成に同じステップを使うことが今まで私の臨床にNi-Tiファイルを使うことを拒んでいた理由である。各歯牙の歯髄腔・根管の形態は、年齢やカリエスリスクも含めて様々である。その様々な形態に合わせて1から順を追って形成しなければならない規則が多く、無駄が多いと感じるNi-Tiファイルが多くあった。その無駄を省いたパターンがこの3つのサイズとSMとMLの2タイプのみである。以上3点が手用ファイルからの移行をスムーズにさせる内容だと感じる。ただし、欠点もある。欠点は、TFアダプティブファイルとエレメントモーターの組み合わせである。操作性、安全性、スピード、すべてを一つに集約したことによって術者の戸惑いもあると思う。Ni-Tiファイルに合ったモードが選べることによって非常にシンプルな操作性が得られる。しかし、このシンプルな操作性とTFアダプティブモーション機能が術図5症例:51歳女性主訴は、左上の6番の咬合痛。デンタルやオルソパントモで失活歯と診断。口蓋根と頬側の遠心根に大きな不透過像を確認。感染根管処置を行う。図6図7CT画像(ファインキューブ)。カリエスが長期に存在した歯牙は、修復象牙質量が多く根管の閉鎖を招く。そのため、マイクロや拡大鏡を使いエンド三角の除去をしなければならない。図8図9口蓋根と頬側近心根は、アピカルシートの形成までTFアダプティブファイルを使い根管形成を行った。頬側の遠心根は閉鎖した根管である。根尖病変に到達できない感染根管処置についてはエンドサージェリーの適応症である。Dental Products News 223 15