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が負担なく行えるようになった(図4)。特にこの機能はインプラント手術の二次手術(図5)のヒーリングアバットメント装着までの時間を大幅に短縮することができる。2.半導体レーザーデュアルウェーブには波長808nmの半導体レーザーが搭載されている。本体は分離式となり持ち運びが自由となった(図6)。軽量で各チェアーにも簡単に持ち運びができる。先端チップには200、300、400μmのバリエーションがあり、歯周ポケットや根管内に照射可能で殺菌効果が期待できる(図7)。また半導体レーザーはその特徴である深達効果と疼痛緩和効果から、術後の疼痛緩和や治癒促進効果を期待して照射することができる。一台でHLLT作用とLLLT作用が同時に可能となった。まさしくデュアルウェーブは理想的なレーザー機器と言える。3.デュアルウェーブの臨床応用高出力な炭酸ガスレーザーと生理食塩水噴霧による冷却効果によって非常にシャープな歯肉の切開が可能となった。インプラントの一次手術時の切開を行っているところを示す(図8)。炭化層がなく出血もほとんど見られない状態で切開ができている。周囲への熱によるダメージもなく縫合も極めて容易であり、従来の炭酸ガスレーザーでは得られない切開が実現できる。その後のフォローアップに半導体レーザーを照射し疼痛緩和と治癒促進を期待する(図9・10)。また、歯内療法や歯周治療にも半導体レーザーは応用でき、チップ先端を歯周ポケット(図11)や根管内に照射(図12)して殺菌効果や疼痛緩和を期待する。このように歯周病初期治療や根管治療へのコンビネーションも容易に行えるのがデュアルウェーブの特徴と言える。4.デュアルウェーブ使用にあたっての留意点これまでに無い高機能を搭載した新型オペレーザーデュアルウェーブであるが、二波長レーザー機器、高出力炭酸ガスレーザー照射といったハイスペックなモデルになっている。仕様にあたってはレーザーの基礎的な知識が必要となるであろう。特に安全面には留意が必要となる。歯科医師は当然のことながら歯科衛生士を含めたスタッフにもレーザーの基本的な教育は必要となる。今後、デュアルウェーブの講習会が各地で開催されるだろうが、ぜひ受講してデュアルウェーブの機能を十二分に引き出して患者のための歯科治療を発展させていただきたい。5.今後の展望二波長という特徴から、今後骨組織を含めた多種類の組織再生療法に応用が可能と考える。血管の再生や歯髄組織の再生まで、応用範囲は広がるであろう。ハイスペックなデュアルウェーブであるが、これまで以上に細胞生物学的な作用を基礎実験から導きだし、EBMを発信し、歯科医師が自信を持って安心して使用できるように努力していきたい。図7図8A B C Dフィリオ(半導体レーザー)のチップを示す。200、300、400μmの直径のファイバーが用意されている。図9ネオス(炭酸ガスレーザー)を用いてインプラントの一次手術を行っているところを示す。歯槽頂の歯肉を生理食塩水による噴霧冷却で切開を行っている(A,B)。炭化層や出血がみられない。同様に頬側歯肉を切開する(C,D)。炭化層はなく、出血も極めて軽度である。図10炭化層がないため縫合が容易にできる。図11縫合した後にLLLT作用として半導体レーザーを照射する。半導体レーザーは細胞のミトコンドリアのサイトクロムCに作用してATP産生を刺激することが証明されており、治癒促進や疼痛緩和に作用する。図12スケーリング後の疼痛緩和やポケットの殺菌効果のためにフィリオ(半導体レーザー)のチップをポケット内に照射する(Walking Irradiation)。感染根管治療でフィリオ(半導体レーザー)のチップを根管内に照射して、根管の殺菌と疼痛緩和を行う。Dental Products News 221 21