Dental Products News221 page 15/28
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Dental Products News221
多く、結果、彎曲根管には応用が難しかった。筆者の友人との会話の中でも、どのような器具を用いて根管充填すると上手くいくかといった話題にも事欠かなかった。しかし、その予後の良さから捨てられない材料でもあった。本稿のMTAフィラペックスは、根管充填用シーラーとして使用するので、通常のガッタパーチャポイントを使用しながらMTAの効果を得ることが可能となった。筆者は従来のMTA使用時は、根管充填時の操作性の問題、すなわち充填状態を目視、確認しながら操作可能であり、すでに大きく拡大されている比較的直線的な根管が適応と考え、複根歯の場合は、その拡大状況や彎曲の程度によりガッタパーチャと使い分ける場合もあった。筆者はガッタパーチャポイントによる側方加圧根管充填を多く行うが、MTAフィラペックスでは従来と全く同様の術式で行うことができ、非常に使用しやすいと考えている。最後に私なりの使用上の注意点などを述べたい。図4のように、チューブタイプは2ペーストからなるが、非常に流れがよい。材料の出すぎに注意を払いたい。また、MTAフィラペックスはより硬化を確実にするためにシーラー自体に水分の含有が多いので、混和するととても柔らかい。他の根管充填用シーラーと比較して粘性が低いので流れが良く、このシーラーの場合気をつけていないとガッタパーチャポイントがはじいてしまう。そのため、ガッタパーチャポイントにしっかり付着させてから根管内に運ぶようにするか、あらかじめレンツロを用い根管内に満たしてから根管充填を行う必要がある(図4)。根管充填後の取り扱いは、他のシーラーと全く同じである。操作時間は30分と十分にあるので、扱いに慣れればその日からでも臨床に取り入れやすい。まとめ供覧した症例は全て根管拡大も#35~#45であり、従来のMTAセメントで根管充填することは、筆者にとっては非常に困難な号数であるといえる。もしそれでもMTAセメントで根管充填するようであれば、さらなる根管拡大を行うか、場合によってはMTAセメントの使用さえも断念しなければならなかったと考える。MTAフィラペックスを用いることにより、M T Aを用いた根管充填がより行いやすくなったと考える。●症例1:34歳女性右上大臼歯部の冷温水痛を主訴に来院した。処置内容は、麻酔抜髄、同日に根管充填を行った。●症例2:52歳女性右上小臼歯部の違和感を主訴に来院した。処置内容は、右上小臼歯の感染根管治療、同日に根管充填を行った。Dental Products News 221 13