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MTAシーラーを活用するMTAフィラペックスの活用殿塚量平とのつか歯科ペリオ・インプラントセンター/東京都大田区開業M T Aセメントは1993年にアメリカで開発され、その後、根管治療時にパーフォレーションの修復や根管充填材として、また歯根端切除術の際の逆根管充填の材料として用いられ、非常に良好な治療成績を残してきた。覆髄の材料としても良好である。特徴を列記すると、●利点1)生体親和性が高い2)硬化する過程で水酸化カルシウムが生成されるため、高いpH値を示す3)硬組織誘導能を持つ4)水分や組織液があっても硬化し、歯質と接着する●欠点1)それ自体に強度(特に曲げ強度)がないため、別の方法で歯質を強化することを検討する必要がある2)覆髄に用いた場合、歯質が黒変する場合があり、特に前歯部では注意を要する3)オリジナルのMTAセメントは硬化に非常に多くの時間を要する4)操作性が悪い最近はMTAアンジェラスのように欠点を解決した製品も発売され、臨床的に使用しやすくなってきた(図1)。今回、本稿では筆者が根管充填用シーラーとして好んで用いているMTAフィラペックスについて述べる(図2)。臨床で使用しての感想は、非常に操作性が良いことである。従来のMTAセメントで根管充填する場合は、その操作性の悪さから気泡の混入、到達度の不足などを起こす場合があり、筆者の場合は#80以上に根管形成されていないと困難なことが図1MTAアンジェラス図2M T Aフィラペックス(シーラー材)図3(覆罩材)チューブタイプシリンジタイプMTAフィラペックスのpH値時間MTAフィラペックス(pH)24時間9.397日14日7.688.89長期間にわたり、高いpH値を維持する。ホワイト1gホワイト0.14g×2(使い切りタイプ)MTAフィラペックスは、チューブタイプ(ハンドミックス)とシリンジタイプ(オートミックス)がある。※Hydrogen ion and calcium releasing of MTA Fillapex andMTA-based formulations. Milton Carlos Kuga, et al. RSBO2011 Jul-Sep;8(3):271-6図4混和の状態今回はチューブタイプを使用。2ペーストからなるが、非常に流れがよい。材料の出すぎに注意を払いたい。混和するととても柔らかく、他の根管充填用シーラーと比較して流れが良い。そのため、ガッタパーチャポイントにしっかり付着させてから根管内に運ぶ。レンツロを用いる場合。12 Dental Products News 221