Dental Products News220 page 15/28
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Dental Products News220
また、T Fアダプティブファイルは3本(SM1・SM2・SM3または、ML1・ML2・ML3)で形成を終了し、システマティックかつシンプルな形となっている。クラウンダウン法ではなく、フルレングス法での形成であるところも、非常に操作がしやすく、ネゴシエーションの延長のようなイメージで根管拡大を行っている。ただし、Ni-Tiファイル全般の特性として、根管追従性は高いが、断面が円形な根管形成となってしまう。実際の根管はほとんどが楕円形であり、Ni-Tiファイルのみでは、起炎物質を取り残してしまう可能性がある。そこで、私たちはTFアダプティブファイル、ステンレスファイル、ゲーツドリルを組み合わせて、効率が良く、かつ治療成績の高い根管形成を以下の手順を用いて目指している。?細いファイルでネゴシエーションを行う(#10、15など)。?TFアダプティブファイルで根管形成を行う(SM1、SM2、SM3)。?ゲーツドリルで主に側方方向(楕円の形態を意識して)に根管形成を行う。?ステンレスファイルで仕上げ(楕円の形態を意識して、またイスムスなどを重点的にファイリング)を行う。の手順で根管形成を行う。提示している症例も上記手順にて処置を行った。また、根管充填のシーラーにはMTAフィラペックスを使用している。MTAフィラペックスは、その名の通りMTA成分が含有された根管充填用シーラーである。それにより、硬化する過程で水酸化カルシウムが生成され、その高いpH値により抗菌化作用と骨形成促進作用が期待できる。また、硬化時に膨張する特徴も持っており、根管の封鎖性にもすぐれている。今回提示したケースは湾曲根管であったが、TFアダプティブファイルを用いることにより、スムーズに短時間で良好な根管形成が出来た。また根管充填にMTAフィラペックスを用いた事によって、長期的に安定した状態が保てるものと考えている。図6症例:45歳男性図7図8左下臼歯部の自発痛を主訴に来院。♯37の2次カリエスによる不可逆性歯髄炎と診断し抜髄を行った。図9TFアダプティブファイルによる根管形成。図10ゲーツドリルによる側方方向への拡大。図11手用ステンレスファイルによる仕上げ形成。根管形成終了時。MTAフィラペックスを根管内に填入後、側方加圧充填にて根充。図12図13図14最終補綴後。良好な根管治療が行えたと考えている。一連の歯内療法はメーラー社「アレグラ330」使用下で行った。非常に操作性の良いマイクロスコープで、筆者は愛用している。マイクロスコープアレグラ330。Dental Products News 220 13