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を充填するバーチカルは湾曲や側枝など解剖学的に複雑な根管形態に追随する理想的な方法だが、長さのコントロールや加圧方法など熟練度が要求される。そこで本稿ではラテラルのように長さのコントロールがしやすく、かつ均一な垂直加圧が可能なContinuous Wave CompactionTechnique(CWCT)の変法を紹介する。従来のCWCTは専用のシングルポイントで行うが、本法では最終拡大サイズのメインポイントを使用するので過不足のない根管充填が可能になる。またアクセサリーポイントを併用するので太い根管でも死腔ができにくい。“ラテラルの延長にあるバーチカル”という意味では日常臨床に取り入れやすい方法といえる。システムBコードレス パック/フィルを使用すれば温度管理されているので根周囲組織に与える温度刺激の影響も少ない(図4)。処置歯の予後に影響を及ぼす側枝は歯種ごとに発現部位と頻度に差がある。数値を見る限り前歯・小臼歯では根中央付近まで、大臼歯では根管口付近まで側枝を意識して根管充填する必要がある(表1)。CWCTを用いれば長さのコントロールがしやすいので歯種に合わせて理想的な位置まで根管充填が可能である。MTAは抗菌性、封鎖性、生体親和性などの優位性から穿孔封鎖や根管充填材としての評価が高いが日本国内では薬事上、覆髄材としてしか使用できない。国内ではMTAフィラペックスだけが40%MTA含有の根管充填材(キャナルシーラー)として認可を受けているが、これを機にMTAの適応が広がることを期待したい。図13根管充填直後(左)と3ヶ月後(右)のエックス線写真。(左)垂直加圧により根尖孔からMTAフィラペックスがわずかに漏出し、根尖孔の封鎖性を高める。(右)MTAフィラペックス周囲の根尖病巣は良好に治癒している。図12アピカルプラグを形成したものより先端径の大きいコンデンサーを使用して垂直加圧する。図11バックフィル:根管上部の根管壁に再度MTAフィラペックスを貼付した後、加熱軟化したガッタパーチャをシステムBコードレス フィルで充填する(バックフィル)。MTAフィラペックスの耐性温度は150℃なので温度管理には注意する。ラテラルとバーチカルの融合どこまで根管充填するのか図5術前のエックス線写真。根尖部に違和感があると言うことで再根管治療を行うことになった。根尖部には限局性の透過像が認められる。図8メインポイント周囲にアクセサリーポイントを挿入する。図9システムBコードレス パックでダウンパック。※図6~12はすべてマイクロスコープ映像図10専用のコンデンサーを使用してアピカルプラグ(根尖側約5mm)を形成する。図6メインポイントにMTAフィラペックスを適量つけて根管内に挿入。図7N i T i 製のフィンガースプレッダーで側方加圧する。この時、側方圧は毎回同じ方向にかけていく。MTAフィラペックスの可能性