Dental Products News214

Dental Products News214 page 22/28

電子ブックを開く

このページは Dental Products News214 の電子ブックに掲載されている22ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
Dental Products News214

ドイツDMG社支台築造材料ルクサコアZーデュアルの活用生活歯から失活歯まで活用できるルクサコアZ-デュアル甲斐康晴かい歯科医院?福岡県北九州市開業ルクサコアZーデュアルを臨床応用したケースを通じて、使用実感を述べてみたい。本材は成分中に酸化ジルコニウムを配合し、適度な硬度を有する。当医院においてはその特徴を活かし、失活歯における支台築造はもちろん、生活歯においても、咬頭被覆型のアンレー処置を必要とするケースを何とかインレー形態として保ちたい場合や、歯質の崩壊が著しく維持が取れにくいケースなどに重宝している。口腔内の直接法コア材として必要なことは、填塞時の流動性に優れていること、填塞後の垂れが少なく硬化前の形態付与がある程度行いやすいこと、デュアルキュアタイプのため硬化後の未重合層の防止につながること、形成時に歯質と同様の切削感・硬度を有すること、そして色調が選択できること(根管付近で将来再治療を必要とすることが考えられるケースはブルー色、それ以外はA3を用いている)、硬化後に即時重合レジン等と反応が少ないこと、次回来院時に仮封材の撤去が容易であることなどの性質が挙げられると思う。少なくとも臨床実感としては、ルクサコアが上記の条件を満たしているため、現在多くの臨床家に用いられるようになった要素となったと考えている。今回、生活歯におけるコア材に用いたケースと、失活歯において支台築造に用いた2ケースを提示したが、特に操作性において優れものであることは間違いない。しかしながら、材料は基本的な処置の上に基づいて用いられることが原則であること、どのような材料も長所短所が存在すること、自分の臨床と合致しているか予後を注意深く見守ることを忘れないように注意を怠らず使用することが望まれる。図1ルクサコアZーデュアル。図2左上の修復物の離脱を主訴に来院。4は生活歯であった。唇側の天然歯質を可及的に残せればと考えた。う蝕除去後、歯質の処理を行いルクサコアのA3を充填した。非常に流動性が高く充填操作が楽である。図3ルクサコアはフローが良いこともあるが、適度の粘性を有し充填後の形態の修正も比較的容易である。形態の付与が行いやすいことは充填後の修正を最小限にできるので、楽である。デュアルキュアであるので光照射後5分放置する。図4硬化後に形成時の感触が、非常に天然歯と似通っており、天然歯との境界も比較的なめらかに仕上げることが可能である。図5歯質に維持が取れにくいケースであったが、ルクサコアの硬度に期待してコア材に維持をとる形態を選択した。患者さんの咬合力や、対合歯の状態などを考慮して用いる必要がある。図6次回来院時の仮封材の撤去は容易である。図7失活歯において、う蝕の形態によっては歯質の除去に戸惑うことがある。図8咬合面からみると4壁残存する。図9ルクサコアにより支台築造を行った。歯質との境界もスムーズである。