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較すると根管の便宜拡大が少なくて済み、根尖孔の1mm上方にアピカルシートを形成し、適切なフレアー形成が行えていれば、弯曲根管に対してもNi-Tiスプレッダー(図1)を使用することで確実な根管充填が可能です。その際、スプレッダーのテーパーにあったアクセサリーポイント(表1)を選択することが重要です。一方、日本でも普及しつつあるNi-Tiファイルロータリーシステムでは、アピカルシート形成ができませんが、根尖孔に至るまで持続的なテーパー形成が可能です。さらに、根管充填を簡便に安全に行うために根管形態に適合したガッタパーチャが各メーカーから発売されています。MTAシーラー従来使用されているキャナルスに加えて、mineral trioxide aggregate(MTA)を40%含有するMTAフィラペックスが発売され(図2)、高い評価を得ています。MTAが米国ロマリンダ大学歯学部のTorabinejad教授によって報告されて以来、多くの基礎的および臨床研究が実践されました。その結果、直接覆髄、穿孔部の封鎖、根管充填および逆根管充填に使用され、従来の材料に比較して良好な臨床成績が数多く報告されています。MTAフィラペックスは、生物学的な為害作用が少なく、生体親和性が高く、細胞傷害性が低く、石灰化を促進し2)、硬化後の収縮率が低く、操作性とフローが良く(図3)、レントゲン造影性が高く、従来品と同等の価格であり、再治療時の除去も容易であり、根管充填用シーラーとして期待される特徴を満たしています。●参考文献1)高橋慶壮考えるエンドドンティクス―根管形成と根管充?の暗黙知と形式知―クインテッセンス出版2015年2)GOMES-FILHO JE, et al. A mineral trioxide aggregatesealer stimulated mineralization. J. Endodon. 35:256-60, 2009.3)平井順、高橋慶壮臨床歯内療法学―JHエンドシステムを用いて―クインテッセンス出版2005年.図2図3MTAフィラペックス。左がシリンジタイプ。右がチューブタイプMTAフィラペックスの練和。図7・8図9図10歯肉縁下う蝕への対処。生物学的幅径を考慮して、根管充填後に歯槽骨切除術および歯肉弁根尖側移動術を行い、う蝕部位を歯肉縁上に出すとともに付着歯肉を確保した。最終補綴物セット時の口腔内所見。臨床症状は完全に消失した。最終補綴物セット時のレントゲン写真(根管充填時から2ヶ月)。図14図15図16根管充填後のレントゲン写真。近心根はNi-Tiロータリーシステムで、遠心根はJHエンドシステムで拡大形成した。遠心根は狭窄しており、実体顕微鏡下で治療した。近心根にはテーパー8度のガッタパーチャポイントとMTAフィラペックスで、遠心根にはISO規格のメインガッタパーチャおよびアクセサリーポイントとMTAフィラペックスで側方加圧根管充填を行なった。最終補綴物セット時のレントゲン写真。根管充填から1.5ヶ月後のレントゲン写真。透過像の縮小傾向が見られる。最終補綴物セット時の口腔内所見。瘻孔のあった部位には白斑様を呈していたが、臨床症状は消失した。