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高齢者・有病者のソニッケアー使用ポイント矢部公子歯科衛生士?日本大学医学部附属板橋病院歯科口腔外科勤務我が国は、加齢により基礎疾患を抱え運動障害やADL*1の低下した高齢者が増加している。この様な患者は、歯周管理が必要な場合が多く、歯周管理を行うことは、単に歯周組織を守るだけでなく、QOLの向上や全身的な合併症予防の観点からも重要な意味をもつ。高齢者や有病者の歯周管理を行う上で、特に問題なのが、出血傾向と免疫力の低下である。前者には、基礎疾患による出血傾向(ITP*2・再生不良性貧血・肝疾患など)や抗血栓薬の使用による出血傾向(心房細動・人工弁置換・狭心症・心筋梗塞・脳梗塞など)、化学療法に伴う出血傾向がある。後者には、糖尿病・悪性腫瘍の治療・ステロイド療法などが挙げられ、病状の進行や治療状況により易感染状態が惹起される。ソニッケアー(図1)は、毎分31,000回のダイナミックフルイドアクション(図2)により歯肉縁上から縁下の浅いポケットまで、プラークを浮き上がらせ落とすという特徴がある。歯面に当てれば、簡単に刷掃効果を得られることが最大のメリットの商品であるが、十分な実地指導を行うことで手用歯ブラシより高い効果を得ることができるといった報告もある(文献1~3)。そこで今回、ソニッケアーを有病者に用いて、十分な指導を行い良好な結果を得られた3症例を紹介する。指導は、まず手用歯ブラシで「当て方」の指導から行う。手用歯ブラシは、ブラシ毛質が幅広く展開しており、歯肉縁上のプラーク除去図1図2図3ソニッケアーフレックスケアープラチナブラシヘッド部の高速振動と幅広い振幅運動によって「音波水流」を発生。この音波水流が毛先の届きにくい部分のプラークを除去する。TePe社セレクト・コンパクトヘッド歯ブラシ。症例176歳女性初診時。主訴:歯肉の疼痛。ブラッシング時の出血が気になる。既往歴:慢性肝炎・突発性頻脈・高血圧症・鬱病。抗血栓薬服用中。TePe社エクストラソフト手用歯ブラシで実地指導開始。ブラッシング時の出血の様子。8ヵ月後、歯周初期治療開始。歯肉の疼痛・出血が減少。ソニッケアー使用へ。14ヶ月後、SPT時。前歯部ブリッジの不適合は目立つが、再治療拒否。清掃状況は良く、経過良好。[参考文献]文献1:電動歯ブラシと手用歯ブラシのプラーク除去と歯肉の炎症への効果日本歯周病学会会誌(0385-0110)47巻1号Page1-10(2005.03)文献2:音波振動式電動歯ブラシのプラーク除去効果日本歯周病学会会誌(0385-0110)55巻2号Page140-147(2013.06)文献3:歯科衛生士による音波歯ブラシの使用法に対する口腔衛生指導の有効性日本歯周病学会会誌(0385-0110)48巻2号Page142-148(2006.06)