Dental Products News213 page 19/28
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概要:
Dental Products News213
に代表される接着修復材料であろう。他の修復材料と比較しレジンの優れた特徴として、審美性はもとより歯質と同程度の弾性係数をもつ理工学的性質が挙げられる。象牙質の弾性係数は12~19GPaを示すのに対し、鋳造用金属の弾性係数は3~8倍の数値を示す。それに対しレジンの弾性係数は5~13GPaを示し象牙質のそれより低いか同程度の値を示す。これにより歯台築造に使用した場合、補綴後の歯質の破折が格段に減少する。また、マイクロスコープを用いたエンドにおいてはラバーダムの装着は必須となる。しかし、感染根管治療においてはラバーダムを装着しうるだけの歯質が残っていないことも多く、隔壁としてレジンを使用する機会も多い。このように私たちは、優れた審美性と理工学性質から日常臨床の多くの場面でレジンを使用している。しかし従来のものにおいては、前処理時の防湿の不備によるテクニカルエラーが起こりやすい。歯台築造に使用した場合、歯質よりもレジンが柔らかいため築盛したレジン部分を形成時に削りすぎてしまうことがある。また、根管治療の隔壁として使用する場合、レジン部分の色調が歯質と近似しており、隔壁の除去時にレジンと歯質との判別が困難であるなど様々な改良すべき点も存在している。今回ご紹介するDMG社の支台築造材料「ルクサコアZ ーデュアル」とレジンセメント「パーマセム2.0」は、従来のものの利点を生かしつつ改良を行ったレジン系マテリアルである。ルクサコアZーデュアルの最大の特徴は、ジルコニアの粒子を含有することによる切削感が非常に歯質と近似しているという点であり、パーマセム2.0の最大の特徴は、接着時の前処理が不要でありテクニカルエラーが起こりにくいという点であろう。今回、これらを用いた計4ケースを示し供覧させて頂きたい。症例3図12図13#15の根充後、全周のフェルール確保のためにExtrusionによる歯牙挺出を行うことにした。#14のインレー直下、及び#16の近心面にカリエスを認めたため、インレー除去とカリエスの除去を行った。図14図15Extrusionを行うためのフックの固定を行った。この際、最終的な除去を想定し下層を水硬性仮封材で、上層をルクサコアZーデュアルのブルーを使用した。症例4図16図17挺出用のワイヤーの固定には、接着のための前処置が不要であるパーマセム2.0を使用した。これにより接着前処理の際のテクニカルエラーが軽減できる。図18患者は#12,11,21,22における上顎前歯の審美障害で来院された。4前歯に対するオールセラミック修復を立案。不良補綴除去後、#22にコア不適合を認めたため除去を行いルクサコアZーデュアルを用いたファイバーコアによる支台築造を行うこととした。図19図20図21圧排後、根管内を酸化アルミナパウダーにて機械的に清掃し、その後、パウダー除去を超音波ブラシなどで行い、接着前処理を通法に従い行い、その後ファイバーポストの試適を行った。ファイバーポストの試適後、ルクサコアZーデュアルを気泡が混入しないようポスト底部から填入していくことが重要である。ルクサコアZーデュアルの完全硬化後、最終形成を行った。マイクロスコープを用いてフィニッシングラインの確認を行った。※写真はマイクロスコープ画像プロビジョナルにてサブジンジバルカウントゥアの調整を行い、歯肉の生理的な反応を確認しながら最終印象を行った。※写真は最終補綴装着時のもの。