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Dental Products News211
MTAシーラーを活用する待望のMTA根管充填用シーラー「MTAフィラペックス(MTA Fillapex R)」森川公博森川歯科クリニック/会津若松市開業1.はじめにMTAセメントについては、実際に臨床応用されている諸氏も多くなっているようであり、まだ使われていない方も、MTAという言葉は知っておられることと思う。M T Aとは、Mineral Trioxide Aggregateの略称で、ケイ酸カルシウムを主成分として、その他無機成分が数種類配合されている。1993年Torabinejadらによる逆根管充填材として1)開発されてから、歯髄に対して従来の水酸化カルシウム製剤に代わる覆髄材として注目され、国内で市販されてから7年ほど経過した。MTAは、炎症反応を示さずに組織回復が期待できる生体適合性を有する2)。水酸化カルシウムより安定し、持続的なカルシウムイオンを放出することでアルカリ性のpHを維持し、抗菌作用を示している3)。本邦では、覆髄材として認可され、特に直接歯髄覆髄4・5)材として高い評価を得ている。これを根管充填材としての応用する方法もあるが、根尖部に填塞して積層していくもので6)手技の難易度が高く、確実性に欠けるように思われる。しかも、コストの面と硬化時間に5時間もかかるなどのことが、「評判は良いらしいが価格が高くて」とか「使い勝手の面がちょっと」という話になっているようである。ヨシダでも、先にブラジル・アンジェラス社製の覆髄材「MTAアンジェラス」を発売した。これは、長時間固まらないという問題に対して、初期硬化15分と大幅に改善をした製品である。そして今回、同アンジェラス社から「MTAFillapex(フィラペックス)」が、国内初の根管充填用シーラーとしてヨシダから発売された。これは2010年にはブラジルで市販され、その後様々な面からの検討もなされ、MTAのもつ特徴を備えた根管充填材であると実証済みである7~9)。2.製品概要と臨床応用M T Aフィラペックスは、オートミックスチップ付きデュアルシリンジ4gと、ベースペーストチューブ1 8 gキャタリストペーストチューブ12gの2種類が用意されている(図1)。諸氏の好みに応じて選択されれば良いが、まずシリンジタイプで適切な稠度を確認しておくことをお勧めしたい。臨床応用については、通法と変わらないが、シリンジタイプでは、練板上に適量を押し出し、レンツロなどを用いて根管内に挿入する。このときチップはディスポーザブルであるため、直接患歯に応用することも可能であるが、図1図23種類のNi-TiスプレッダーガッタパーチャポイントNi-TiスプレッダーREEND11T(細)Ni-Tiスプレッダー30 REENMA5730ガッタパーチャポイントアクセサリーNi-TiスプレッダーREEN4SP(太)M T Aフィラペックス。左がシリンジタイプ。右がチューブタイプNi-Tiスプレッダーとアクセサリーポイント図6図7図8練和稠度の延びは、極めて良好レンツロにシーラーを付着させ、根管に輸送マスターポイントにもシーラーを付着させる