Dental Products News211 page 20/28
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Dental Products News211
D r.K OJIMA’S VoiceVol.32歯内療法を見せよう!7ー機械・器材を知り、うまく使った歯内療法ーイオン導入器「パイオキュアー」を使う小嶋壽東京都中央区開業昔のイオン導入法に対する疑問今から45年ほど前、大谷歯内療法研究会の第1回総会・学術大会が開催された。それは専任講師の大谷満先生と会長の村岡博先生が主となって土曜日、日曜日の二日間で歯内療法のデモと実習を通して、受講した先生方に、難しいと言われていた歯内療法を理解し、臨床で実践できるようにした研修会での新鮮な学術大会だった。その大谷満先生がコースの中で何回も強調していたのが、根管消毒のイオン導入法のことでした。確かに根管内を消毒するという考えと、イオン導入を行うと予後が良くなっていることは事実だが、大きな器械を使って、しかも時間がかかる。マイナス電極の炭素棒を手で握り、プラス電極は亜鉛チップを根管内へ入れて通電している。手から患歯まで長い隔たりがあり、その間の抵抗により、電流量が失われてしまう。またプラス電極の亜鉛チップは、使っていくうちにその先端が腐食し、通電が悪くなる傾向がある。そのためイオン導入による効果を発揮させるためには、どうしても時間をかけて通電させるよりほかに、方法がなかったのである。一回のイオン導入の施術に、確かに薬を使うのでなく物理的な消毒法だといっても、一回に20分、30分かけて根管消毒したのでは、患者様も術者側も臨床が廻っていかないだろう。図1以前、行っていたイオン導入法。マイナス電極の炭素棒を持っている。図2プラス電極の亜鉛チップとマイナス電極の炭素棒(ガーゼでくるんである)。図3イオン導入で何回も使ったあとの、亜鉛チップの先。図4亜鉛を放出した後の亜鉛の先はぼそぼそで、穴が開いている。図5今までは亜鉛電極を使っているので、消耗が激しかった。図6ヨードヨード亜鉛を歯冠部まで充分に満たして通電する。最適化した電導路従来の電導路イラスト金平恵介先生提供(大阪かねひら歯科)図7一番状態の悪い根管に亜鉛電極を入れて通電する。図8今は+電極も-電極も口腔内の最短距離で、抵抗の少ない電流量で通電している。図9手から腕、肩、首を経て口腔内の患歯に至る行程は長すぎて、電流のロスが多い。