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●参考文献1)2)3)4)森川公博;側方加圧根管充填法を確実に行うために その4-システム化根管充填の要点 アクセサリーポイントの使い分け:DPN,201,20~21,2013.森川公博;側方加圧根管充填法を確実に行うために その3-システム化が可能となった根管充填―:DPN,196,14~16.2012.森川公博;側方加圧根管充填法を確実に行うために その2 -髄室開拡から根管形成までの要点―:DPN,195,19~21.2012.森川公博;側方加圧根管充填法を確実に行うために その1-スプレッダーの使い分けー:DPN,192,10~11.2012. 図3症例3,4,5 大臼歯図3-1 図3-2 図3-3 図3-4 図3-5 図3-66 術後7 術後7 術後3.大臼歯 3根管あるいは4根管に対しての根管充填は、少なくとも2回に分けて充填していくことが、シーラーの硬化速度と術野の確保からも確実である。3根管を同時に根充しようとすれば、狭い視野にアクセサリーポイントの根元が邪魔になり、スプレッダーの挿入によってできたスペースにポイントを適確に合わせていくことが困難になる。2回に分けての根管充填は、シーラーが流れやすい方を先にしていけば、後から充填しようと思った根管にシーラーが流れてしまって慌てることもなく、術式がスムーズにいく。 また、後の充填操作の前にポイントを焼き切って術野を明瞭にしておくことは、言うまでもない。 これもほぼD11Tの応用となるが、上顎P根管と下顎D根管については4SPを用いた方が仕事の速いこともある。「B」の3根管透明根管模型は、拡大号数MB・DB#35・P#40とした(図3-1)。ポイントを適正に試適したのち(図3-2,3-3)、まずP根管より充填する(図3-4,3-5)。次いで、頬側2根管を充填していく。原則として、シーラーは2根管同時に満たすが、これも同様に試適したポイントを挿入後、D11Tを用いて圧接していく(図3-6)。臨床応用3例を次に示す(症例3,4,5)。 これまで述べてきたように今回のアクセサリーポイントの有用性は高いが、繊細にできているため、スプレッダーでできた空隙にアクセサリーポイントを挿入する際には、細心の注意を要する。すなわち、挿入角度に注意しなければ先端が曲がってしまい、予定した位置に届かないことがでてくる。また、曲がってしまったポイントは破棄し、新たなポイントを用いるべきである。 前報でも述べたように、根管シ-ラーは、根管封鎖材というよりも、メインポイントとアクセサリーポイントの隙間を埋めるものではなく、根管壁とこれらガッタパーチャポイントの微少な空隙を満たしていくもので、ガッタパーチャが可塑変形できない分岐部や側枝を充塞させることを目的とする。従ってガッタパーチャは、加圧によって追加填塞で自身が変形していくことでシーラーを充填するとも言えるのである。従って、根管シーラーの稠度の重要性は極めて大きい。 スプレッダーかアクセサリーポイントのいずれかが規格を外れれば、本術式は成り立たない。さらに適切な根管形成2)がなされていることも前提条件である。 このように今回用意されているアクセサリーポイントの特徴を捉えて、適切に選択応用していくならば、カンに頼るようなことがなく根管充填を行うことが可能である。根管充填がシステマチックに且つ、容易に確実に施術されることの一助となれば幸甚である。