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当院の感染予防対策山口 千緒里 日本医療機器学会認定第2種滅菌技士/歯科衛生士/ブローネマルクオッセオインテグレイションセンター勤務 小宮山 彌太郎 ブローネマルクオッセオインテグレイションセンター/東京都千代田区開業第6回ユニット周辺の清掃・除菌歯科医院での院内感染として、注意すべき疾患では、B型肝炎、C型肝炎、エイズといった病名が思い浮かぶのではないでしょうか。これら「ウイルス」によって感染するものに対して、我が国ではグルタラルアルデヒドなどの薬剤の使用が一般的と言えます。使用後の器具をグルタラルアルデヒド製剤に予備洗浄なく浸漬させてしまい、十分なすすぎもせずに使用する。使用後の診療ユニットをグルタラルアルデヒド製剤で拭掃してしまう。といった大変危険で間違った使用方法が、現在でもなされているのを、残念ながらまだ耳にします。平成17年厚生労働省からもグルタラルアルデヒド使用方法に対する注意事項をまとめたものが医療機関に通達されました(平成17年2月24日「医療機関におけるグルタラルアルデヒドによる労働者健康障害防止について」より)。作業する医療従事者が、安全に取扱いができ、高い消毒効果が得られ、環境に対しても安全なものがあれば、患者にとっても、作業者にとっても、そして環境にとっても、望まれるものでしょう。肝炎ウイルスやエイズウイルスである、HBV、HCV、HIVウイルスはエンベロープウイルスに属し、これらエンベロープウイルスの不活化(ウイルスが機能しなくなること)には、このエンベロープ(ウイルスの最も外側を覆う膜)を破損させることが有効であるとされています。エンベロープは大部分がタンパク質、脂質からできており、アルコール類や第4級アンモニア塩(界面活性剤)によって破損することが明らかになっていることから、ヨーロッパでは、これらを主成分とする、人体、環境により安全な薬剤が用いられるようになりました。また、歯科用ユニットなど高価な器械に対し、材質にダメージを与えることなく使用できることも考えなければならないことの一つでしょう。これらの条件を満たしている「Durr DentalHygiene System(デュール デンタル ハイジーン システム)」について、本稿では図説で、診療ユニット周りの除菌、清掃や、使用後の器材の除菌、洗浄方法について示してみたいと思います。参考文献 1、DHstyle 2014年3月号 それでいいの?歯科医院の洗浄、消毒、滅菌⑥ 2、歯科医療における感染管理のためのCDCガイドライン2003の勧告図1ID213(使用後の器具の除菌洗浄剤)。ウイルスにも有効とされ、超音波洗浄器使用も可能です。アルデヒド、フェノール、塩素非含有で環境にも安心です。使用後はそのまま流しに廃棄できます。50倍希釈のID213に予備洗浄後の器材を浸漬15分、その後、十分にすすぎを行い、滅菌を施します。※最長で2週間使用可能とされていますが、汚れに応じて交換することが望ましいでしょう。図3使用後のバーの除菌洗浄には、ID220原液使用で超音波洗浄器に30秒以上かけます。バーの刃先同士が触れないように工夫して下さい。その後、十分なすすぎ、滅菌を施します。※最長で1週間までは使用可能とされていますが、汚れに応じて交換することが望ましいでしょう。図2ID220洗浄ID220洗浄ID213洗浄¨