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デントクラフト ファインフローの可能性立本 主茂 ふじみ野デンタルクリニック?埼玉県ふじみ野市開業MIコンセプトを踏まえたコンポジットレジン修復筆者がコンポジットレジン修復を保険治療で行う場合、求めることは簡便性と適度な審美である。フローレジン単体でコンポジットレジン修復を行えることができれば、両方を網羅できると考えられるが、強度の問題を考えると、適用範囲が限られてしまう。ただし近年のMIコンセプト(もう近年でもないが)の考え方からすると、以前よりは大幅に適用範囲が広がるのではないかと考えている。また、歯頸部(Ⅴ級窩洞)のコンポジットレジン修復の場合、歯肉縁付近の充填には高いテクニックが求められる。実際、Ⅴ級窩洞の再治療の場合、接着不足のケースが数多く見受けられ、当然、二次カリエスも多く見受けられる。一方フローレジンの場合、接着に関して、それほど高いテクニックを求められるわけではない。強いて挙げれば、気泡の混入が多いことである。十分に気泡を除去しておかなければ、接着、審美、共にマイナスとなる。今回、以前から使用しているデントクラフト ファインフロー(図1)を紹介する機会を得たので報告する。患者は2 0 代女性。小臼歯にカリエスを認めた( 図3 - 1 )。カリエス除去、窩洞形成の後(図3-2)、フローレジン充填を行う(図3-3)。デントクラフト ファインフロー A3充填である。また、筆者は、保険診療においては、1液性のボンディングを使用しているが、エナメル質にはエッチングを行っている。患者は50代女性。下顎前歯の知覚過敏を訴え診査したところ、楔状欠損を認めた(図4-1)。歯肉圧排の後(図4-2)、カリエスの除去及び窩洞形成(図4 - 3)を行う。デントクラフト ファインフロー図1-1カリエスを除去。デントクラフト ファインフロー A3を充填。メーラー社製 マイクロスコープ図3-120代女性。小臼歯咬合面にカリエスを認める。図3-2 図3-3図4-150代女性。下顎前歯歯頸部の楔状欠損を認める。図2歯肉圧排を行う。図4-2カリエス除去と窩洞形成。図4-3 図4-4デントクラフト ファインフロー A3.5を充填。出血は接着及び審美に悪影響を及ぼすので、歯頸部のコンポジットレジン修復では歯肉圧排を行うことが望ましいと考える。修復はデントクラフト ファインフロー A3.5で行った(図4-4)。筆者は、日常臨床においてメーラー社製 マイクロスコープ(ユニバーサ3 0 0 )(図2)を使用している。カリエスの除去はいうに及ばず、フローレジンの気泡の除去にとても有効である。また、今回図として使用した画像も、マイクロスコープで撮影したものである。デントクラフト ファインフローの特徴は、色調の経時的変化が少ないこと、フローレジンの中では強度が高いこと、フローがミディアムフローであるので、操作性が良いことと考えている。特に、色調変化が少ないことは、保険診療においても、とても有効であると思われる。臼歯咬合面の修復前歯の修復図1-2高い耐摩耗性?摩耗度%?ISO/TS 14569-2:2001 Dental materials高い曲げ強度と圧縮強度?曲げ強度 MPa ??圧縮強度 MPa ?3000100200ISO4049:2009 Dentistry ISO9917-1:2007 Dentistry2000100500 500 1,000100[回数]?収縮率 %?4.001.02.03.0重合収縮を極力抑制Watts, D.C. and Cash, A.J(. 1991):7:281-287デントクラフト ファインフローの物性