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と考えられる。2)ルクサバイトによる咬合採得今回はアンテリアガイダンスを求めるために矢状顆路角を求める方法について述べる。1デナースライドマチックフェースボウにて上顎の位置決めを行ない、上顎模型を咬合器に付着する準備を行なう。2リーフゲージにより早期接触の起こらない最少量の前歯部での挙上量を決める。このとき常に中心位への誘導を意識しながら行なう。3中心位の記録、2の状態を維持しルクサバイトを側方より臼歯スペースに流し込むことで、開口状態から閉口させるワックスバイトに比べ正確性が増す。またこのバイトは2~3組採得することで診断上の精度を上げることができる。4前方チェックバイトの記録、軽く開口させた状態で、患者にまっすぐ下顎を前方に突き出す練習を数回させた後、リーフゲージを下顎前方位で軽く噛ませ、3同様ルクサバイトを臼歯部に流し込む。リーフゲージでは約5mm以上の高さを維持し、かつ5mm以上前方運動してもらう。これもダブルチェックのため2組以上採得すると良い。*模型付着等は図1~21参照のこと3)アンテリアガイダンスの調整咬合採得後図9~21の要領にて矢状顆路角およびベネット角を求める。その後切歯指導板には矢状顆路角より7~8度加えた値を付与し調整を終えるが、この切歯指導板のみはデナーの全調節性咬合器用のものを用いる方が操作しやすい。4)おわりに基準もなく補綴処置を行なうことは予後に不安を残しかねない。簡便に咬合診断を行なうことで安定した予後も期待できる。是非この方法を試していただきたいが、皆様にはご意見、ご指導もいただきたいと考えている。図19図20図21図18の状態の左側のハウジングの状態であるが、顆頭と矢状顆路板がわずかに離れていることが観察される。これが前方運動時に顆頭が基準平面に対し前方移動した距離を表すことになる。図22そこで調節ネジを緩め矢状顆路板が顆頭に接触するようにするが、この時模型上でチェックバイト記録が動かないようにある程度の力で押さえておかなければならない。ワックス、シリコーンなどではこのとき変形し正しく顆路角を求めることが困難となるが、ルクサバイトは変形しない材料なので、容易に顆路角を調整することが可能となる。図23調整後ネジ部の数値を読むと35度であることがわかる。また図2のオルソパントモからもほぼこの数値を推測できるが、これも一つのダブルチェックの方法である。また複数のチェックバイトで数値が異なった場合は、小さい方の値を採択するのが原則である。図24最終調整の終了した状態を示す。側方顆路角つまりベネットアングルは側方チェックバイトにより求められるが、ここではハノーの公式により算出した。つまりH/8+12で、35/8+12=約15度で咬合器を調整した(H:矢状顆路角)。また側方チェックバイトを複数採得し、数値の差があった場合大きな値を採得する原則となっている。最終的には矢状顆路角よりインサイザルガイドテーブルの調整を行なうが、筆者は矢状顆路角に7~8度加えた角度を付与している。このとき左右の角度に違いが生じた場合は大きな角度を採択している。本症例では左側がやや急傾斜であったため、35+8=43度を矢状切歯路角としアンテリアガイダンスの決定要素とした(左右差もオルソパントモの傾向と一致していることを観察しておく)。