Dental Products News205

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1)はじめに新しい咬合器デナー330咬合器とルクサバイトを用いた咬合分析を紹介する。デナー330咬合器はマークⅡの後継機種と思われるが、後方アームに湾曲が付与されたことにより咬合器後方からの視野が確保しやすく、舌側方向からの咬合状態の視認性が向上したこと、作り自体が堅牢となったことが特徴と挙げられる。既存のフェースボウ、インサイザルテーブル等にも互換性があるため使用法も今まで通りという特徴もある。また、咬合採得材料であるドイツDMG社製ルクサバイトの特徴としては、常温重合レジンであるが変形がわずかであるということである。特に今回紹介する咬合器を含め半調節性咬合器において中心位記録を採得する場合、記録時に咬合高径を挙上するほど本来の中心位(いわゆるtrue hinge)との誤差が大きくなってしまうという欠点がある。しかし、完全硬化する材料にて最少量の挙上により中心位採得を行なうことができればtrue hingeを利用せず、平均的な任意顆頭点にて診断を行なったとしても臨床上問題はないと考えられ、こうした観点からも有用図10図11図12ルクサバイトを臼歯部側方より流し込むことで顎位の変位が生じづらい。図13採得された中心位記録であるが、複数個採得することでダブルチェックする。前方記録ではやや厚みを持たせるため約5mmの厚みでリーフゲージを設定し、前方に5mm以上下顎を動かしてもらうようにする。これも数個採得しダブルチェックに供するようにする。図14ルクサバイトにて採られた中心位記録であるが、薄いにもかかわらず変形しづらい特徴を有する。フェースボウを用い通法に従い上顎模型を咬合器に付着するが、キャストサポートを用いると正確性が増す。図15下顎模型の付着に先立ち中心位記録の適合状態をチェックしているが、適合は良好である。記録された材料は、通常咬頭頂のみを残しトリミングする(どの材料も同様)。図16図17図18また中心位記録の付着に際し、インサイザルピンは材料の厚みを考慮し数ミリ挙上しておくと良い。本例では臼歯部でのルクサバイトの厚みが約1mmであったため2~3mm挙上した。(前方基準点は任意であるという原則に基づいているので大まかで良い)前方運動時の記録であるが、厚みは約3mmある。調整に先駆けトリミングしてある。トリミングされた前方チェックバイト(前方運動時の記録と同義)が中心位付着された咬合器に試適された状態であるが、図12と同じ状態であることがわかる。このとき咬合器の矢状顆路角は「0」にしておく。