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ファイル全体にプレカーブを与えても狭い根管内では直線状に戻されてしまうので、先端部にプレカーブを付けるのが最重要ポイントである。エンドベンダーの先端部にはU字型の凹のある棒と円錐状の棒があり(図2・3)、この間にファイルを挟むことで滑らかな湾曲を与えることができる。また、この円錐状の棒にはテーパーがついているため先端部は細く末端部は太くなっている。よって先端部にファイルを挟み込めばファイルに小さめなプレカーブを付与することができ(図4)、末端部方向で挟めば逆に大きめなプレカーブを付与することができる(図5)。これに対してピンセットなどでプレカーブをつけようとすると「くの字」(図6)に折れ曲がることがありプレカーブの大きさをコントロールするのが難しい。またエンドベンダーではNi-Tiファイルでもプレカーブを付与することができるが(図7・8)、ピンセットを使った場合は曲げようとしても超弾性があるため適度にプレカーブを付与することは非常に困難である。「くの字」に折れ曲げたファイルを根尖方向に押すと圧力は先端部よりは屈曲点に集中しやすくなる(図9a)。最終的にファイルは根尖方向に進まず屈曲点での変形がすすみ「Vの字」に折れ曲がってしまう(図9b)。「くの字」から「Vの字」になると突如抵抗感がなくなり探索機能が失われる。このようなことが度々起こることは非効率である。したがって「コイルスプリング」のように均等に滑らかなプレカーブを付与することが重要である。滑らかなプレカーブが付与されていれば根尖方向の圧力は均等に分散され先端方向へと伝達されていく(図9c)。本来の根管から外れて根管壁に突き当たった場合はスプリングのような感覚が手指に伝わってくる(図9d)。エンドベンダーを用いてプレカーブを付与したファイルでレッジ根管をバイパスした症例を紹介する(図10a~d)。これらのことから、エンドベンダーは根管形成の攻略では最新Ni-Tiファイル同様に、なくてはならないツールの一つである。図4図5図6エンドベンダーで小さめのプレカーブが付与されたファイル。エンドベンダーで大きめのプレカーブが付与されたファイル。ピンセットで「くの字」に曲げたファイル。図10a-da b c d図10a:7の術前のX線写真:近心根管にレッジ(矢印)と根尖病変を認める。図10b:ファイルの挿入でレッジ根管(矢印)にガイドされる。図10c:エンドベンダーにてプレカーブを付与したファイルでレッジ根管をバイパスし本来の根管に穿通させた。図10d:根管充填から3ヶ月後のX線写真レッジ根管と本来の根管に根管充填材を認め根尖透過像も消失している。