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インプラント周囲組織への対応インプラント周囲粘膜炎・周囲炎、当院のガイドラインPart 2皆川仁皆川総合歯科クリニック/東京都羽村市開業前回はインプラント周囲粘膜炎でのCO2レーザーとピュリフレッシュを中心とした治療を記述した。今回は、インプラント周囲炎について解説する。インプラントでも天然歯でも同じ歯周病原因菌が同定されると言われる(インプラントはその15%が歯周病原因菌以外とも言われる)。歯周病原因菌には重度歯周病に関連する3つの菌種があり、これらはRedComplexと言われる。Pg菌、Td菌、Tf菌、この3菌種はインプラント周囲炎に罹患する危険性が最も高い菌である。これらに侵襲されるのを防ぐことが第一の目的である。Red Complexに侵襲されるとインプラント周囲粘膜炎からインプラント周囲炎に急激に変化する可能性は大である。インプラント周囲粘膜炎は可逆性であり、ここでいかに確立した施術をして炎症を深部に波及させないかが重要となる。深部に炎症が波及すると痛みを伴い骨吸収と排膿が見られる、いわゆる非可逆性であるインプラント周囲炎となる。この主な菌はG(-)嫌気性菌であるが、多因子性の疾患とも言われる。ひとたび炎症性の組織破壊が骨にまで及ぶと進行が早くその治療方法は外科的なアプローチに頼ることとなる。この一番の目的はディコンタミネーション(除染)であり外科的なメカニカルクリーニングと薬液によるケミカルクリーニングに大別される。メカニカルクリーニングは徹底したデブライドメントが成否を決める。当院のガイドラインを下図に示す。フラップし、デブライドメントを行う。チタンキュレットのノーデントインプラントスケーラ-Jやウルトラソニックスケーラーを使用して肉芽除去が行われた後、CO2レーザーでチップをつけてインプラント周囲の残渣肉芽を蒸散させる(2W、CW、SPモード)。その後キュレットで炭化層を取り除き、3%H2O2(過酸化水素水)を約1分間定着させ、最後に生理食塩水洗浄する。この一連の動作を徹底して3~5クール行う。インプラント体には石灰化を除去する目的で、クイックジェットとチタンブラシを応用する。ケミカルクリーニングとしてクエン酸塗布し縫合する。最後にピュリフレッシュ1(ウノティーウォッシュ)で口腔内の含嗽を行い施術の完了とする。図1当院のデブライドメントガイドラインガイドライン1 Flap /デブライドメント3 CO2レーザー/ 3%H2O2 /生理食塩水5 10%クエン酸6ピュリフレッシュ4クイックジェット&グリシン酸パウダー2 Tiキュレット/超音波スケーラ-インプラント周囲炎チタン製スケーラ-インプラントスケーラ-JクイックジェットM&グリシン酸Qパウダーファイン/エクストラファインインプラント周囲炎には、確立された術式は今現在ない。そのため一連のプロトコルに則ったガイドラインが必須と考える。