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SureSmileは、最新のデジタル技術とロボット工学技術を応用した全く新しい歯科矯正治療体系を提供します。このシステムはコーンビームCTや口腔内の直接スキャンから、歯冠のみを治療しようとしていた従来の矯正治療では考えられなかった歯根や歯槽骨を考慮し、生体に対応したカスタマイズ矯正治療を可能にします。さらに治療目標に向かい正確にロボットでワイヤーベンディングを行うことで、治療期間の短縮や安全で高品位の治療が実現されるのです。そこで今回これらの最先端技術をどのように矯正治療に応用しているのか、実際の臨床例を交え紹介します。図4二次元診断による困難性図53D-CBCTの有用性(歯槽骨を含めた治療計画の立案)CASimulationBA B C4-extCD5-extDETrue Arch FormNatural Arch FormA,Bはそれぞれ口腔内とパントモ写真を示します。この二次元の情報だけで上顎第二小臼歯の歯根彎曲を想定するのは、はなはだ困難です。しかし、三次元のモデル(C)を生成することで第二小臼歯の歯根彎曲が明らかになります。また、治療シミュレーションを行うことで歯根の衝突を避けた安全な抜歯部位の選択が可能になるのです(D)。Aは下顎前歯に叢生がある症例を示します。この症例に対し一般的によく使用されるストレートワイヤー(True arch form)を用い(B)レべリングを行った状態をシミュレーションしました。その結果、歯槽骨が薄い下顎前歯部にdehiscence(骨の開裂)やfenestration(骨の開窓:歯根露出)が多数生じることがわかりました(C)。歯を除いた歯槽骨だけのイメージをD,Eに示します。True arch formは下顎歯槽骨の形態にマッチしていないのです。Dehiscenceやfenestrationを可能な限り回避するには、個々の症例の歯槽骨に対応するカスタマイズされたNatural arch formの選択が必要なのです。図613歳2か月Ⅰ級叢生症例図7バーチャル治療セットアップモデル(VTM)とカスタマイズされた高精度SureSmileワイヤーVIRTUAL TARGET SETUPINITIAL PHOTOS13y2m日本人に多い典型的な叢生症例で上顎犬歯が低位唇側転位しています。上下顎第一小臼歯を抜歯し治療を行うこととしました。治療開始後7か月目、抜歯空隙が2-3mm程度になった時点で治療用口腔内スキャンを行い、セットアップモデルを構築します。そのセットアップに基づき高精度SureSmileワイヤーを作製します。バーチャルセットアップモデルでは、患者に装着したブラケットを再現することができます。図8高精度SureSmileワイヤーと口腔内写真の比較図9術後の顔貌、口腔内写真ADebond(16 weeks)Post SureSmileprecisionarchwire insertionB治療の進行状態は、口腔内写真とバーチャルシミュレーションを比較することでチェックできます。A.高精度SureSmileワイヤー装着時B.高精度SureSmileワイヤー装着後8週セットアップシミュレーションと実際の口腔内写真がほぼ一致しています。動的治療期間は11カ月でした。従来の治療(約24カ月)に比べ、動的治療期間の大幅な短縮と高品位な治療が達成できました。