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MIコンセプトに基づく低侵襲な歯科治療MIマイクロバーシリーズ(CR用)細い形態修正用バー(A-18fff)の活用岡口守雄辺見浩一岡口歯科クリニック?東京都千代田区開業コンポジットレジン修復において最も難しい処置は臼歯部の隣接面ではないだろうか。Ⅱ級修復において、隣接面マトリックスを歯頸部に適合させ、過不足無くコンタクトまでを回復できればベストであるが、3次元的な適合が悪く歯頸部にオーバーな部分ができてしまうことも臨床においては見られることである。そのようなケースで過剰充填部を修正するのに研磨用マトリックスが多用されているが、切削力が弱く、また、出血させてしまったり、思ったような形態修正ができないことが多いのではないだろうか。調整量が多いようであれば、細いダイヤモンドバーの使用を推奨する。今回紹介するMIマイクロバーシリーズの形態修正用バーA-18fは、通常のバーではアクセスしづらい隣接面の深い部分にピンポイントでアクセスすることができるバーである。A-18fffは先端3mmにのみ非常に細い円錐形のダイヤモンドの切削部を持っている。先端部のみに切削部がついており、ネック部にダイヤモンドがついていないため、隣接面の深い部分にアクセスしやすく、隣在歯や歯肉などを傷つけること無く、狙ったところをピンポイントに切削できる。また、シャンクが少し長く(全長は24mm)深く狭い部位にもアクセスしやすい。また、マイクロスコープなどの拡大視野下において、タービンヘッドで視野が妨げられることが少ない設計である。一方で、このような細くて長いバーはぶれやすいので使用の際はタービンを両手で把持するか、レストをしっかり添えて安定した状態で使用することをお薦めする。このバーを日常臨床で用いるケースとしては、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ級窩洞の歯頸部側の調整の他に、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ級窩洞形成時の隣接面部マージンのベベル付与が挙げられる。ベベル付与時に隣接面に接したマージンには細いバーが必要となり、前回紹介したK-17fを用いるか、A-18fを用いて形成するのが良いだろう。また、歯冠長の長いⅤ級窩洞の場合、短いバーでは歯頸部側の調整がしづらく、A-18fのような全長が長めのバーが適している。この時も、切削部が先端のみのため、他の部位を削ることなく安心して使用できる。このようにA-18fは、細部の切削において様々な臨床場面で使用できる。日々の臨床に活用いただきたい。図1図2-1図2-2図2-3全長:24mm(実寸大)A-18fffMIマイクロバー(CR用)の形態修正用バー(30万回転以下で使用)。下顎左側第一大臼歯近心歯頸部を整える。切削部の長いダイヤモンドバーではネック部で隣在歯を傷つけてしまう。A-18fffであれば先端切削部が小さいため、ピンポイントで深い歯頸部の切削が可能である。図3-1図3-2図3-3図3-4術前:上顎右側側切歯近心隣接面に不適合なCRを認める。CRを除去後A-18fを使用して窩洞周囲に一層のベベルを付与した。隣接面のマージンにも的確にアクセスできる。デントクラフトファインフロー、ファインフィルにて充填後、隣接面ストリップスを逆に挿入し直し、研磨を行う。術後:CR充填を審美的に仕上げるには、形態修正や研磨が非常に重要なステップとなる。図4-1図4-2図4-3図4-4上顎右側第一大臼歯近心に修復物の過剰充填が認められる。隣接面歯頸部のCRをA-18fffで形態修正を行う。低速回転にて切削したい部分のみを正確に削るためには、ハンドピースの保持が大切である。形態修正後、歯頸部の自然な形態が得られた。※図3-4以外はすべてマイクロスコープ映像