Dental Products News203

Dental Products News203 page 4/28

電子ブックを開く

このページは Dental Products News203 の電子ブックに掲載されている4ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
Dental Products News203

対談今までとは違う予防歯科大学と臨床医が知識を啓発していくこの状況を変えていくにはまず第1に、先生方、歯科衛生士、歯科技工井上:日本に予防を広めていくためにはどのような方法があるとお考えですか?真鍋:専門性の高い、高度な技術をもったスペシャリストを育てるということも当然必要だと思います。例えばインプラントなどの専門性を高めるためには、スケーリングなど基礎的な技術や知識が非常に重要です。また、高度な治療テクニックは予防があってこそ、維持管理につながります。総合的な力を持って患者さんと接することで、口腔健康を保つことができますし、それが患者さんの幸せに繋がると考えます。教育者としては、どのタイミングで診るかというオブザベーションや技術的なものと予防の両面もきちんとわきまえるような歯科医師となるための教育を行いたいです。井上:臨床医としては、やはり歯科医師・スタッフ全体が予防の共有した概念を持つ必要があります。医師が違えば患者さんに伝える情報・知識も違うということでは、患者さんは混乱しますし、社会がまとまりません。真鍋:そうですね。初めに井上先生もおっしゃったように、今の日本の歯科医療は治療がメインです。患者さんも、痛みを感じて初めて来院し、治療されないと歯科医院に行ったという気になりません。士、歯科界の人間が考え方を変えていかないと、患者さんはついていかない気がします。井上:物事の切り口を変えることでターゲットを広げていくことができます。今までの予防というのは、治療後から始まるメインテナンスという意味合いが強かったのに対して、術前から行う予防、妊産婦から行う予防など、今までと違う切り口で予防を広げていきたいと考えています。真鍋:また、開業している先生方やメディアが、本当の意味の口腔健康とは何か、正しい知識や情報を伝えて欲しいです。井上:歯科に関する正しい知識を伝えるうえで、個人開業医が一生懸命啓発しても、リサーチやデータ、学術的な要素がないために、知識を伝えることに限界があります。だから、大学の機関と臨床医が予防という概念に対してシステムを確立し、それを社会に啓発していく必要があります。そして、多くの先生達が問題点を大学にフィードバックして、大学がリサーチをしていきながら、その学術的な背景、国内だけでなく国際的な予防の概念がどういうものか、それをどのように捉えるべきかを大学側から臨床医へフィードバックするという環境が、正しい知識を伝えるうえでは必要だと思います。真鍋:大学側としても、実際の現場についてわからないことが多くありますから、そのようなコラボレーションは非常に有益だと思います。また、今回の私と井上先生の取り組みとヨシダとのプロジェクトでは、その予防の知識を広く普及させることが非常に大きな目標です。井上:現在の歯科界において、予防に取り組むことは、大きな社会貢献に繋がると考えています。大学を卒業し、これから歯科医師になる方々は、予防への取り組みについて十分な教育・概念が備わっていることでしょう。しかし、予防への取り組みは国民への貢献であり、一部もしくは将来の歯科医師だけが行うだけでは遅いのです。今、予防に興味を持たれた先生がいらっしゃれば、ヨシダの予防セミナー等で、その概念やシステム、テクニックを学ぶのも良いかと思います。真鍋:昨今の健康観の高まりから、国民の歯科への期待は益々高まると思います。この期待に応え社会に貢献するためにも、予防歯科が重要であることは言うまでもありません。ーありがとうございました。