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Ni-Tiファイル「K3 XFファイル」の実力を検証するロータリーファイルを取り入れよう!天野晃天野歯科医院?東京都西東京市開業ニッケルチタン製のロータリーファイルを取り入れるようになって10数年になった。発売当初のNTファイルに始まり改良を遂げた現在、様々な根管系に対してその用途と性質を活かし柔軟性、そしてファイル破折の抵抗性が信頼あるものになった。現在は、K3XFを主にして根管形成している。このファイルの特徴はラジアルランドがあることで根管形成をする感覚に安定性を感じる。また、細いものから太いサイズのものまでバラエティに備わっているところもK3XFの重宝するところだ。例えば初めて歯内療法に入る歯(天蓋除去して行う歯)にはその根管に合うサイズの細身の番手(#25~35)を使っている。それに対して太い番手(#40~60)は、再治療の歯で根充材を除去してから使う根管がある程度拡大されて、根管内感染象牙質を十分に除去する必要のある(太い形成になる)根管や、根尖が壊されているものに使用する。ここでは前者の歯内療法で使用した1症例を寄稿する。図1オクルージョンが引き金になった根尖病変の歯内療法図2口腔内所見図3口腔内所見【45歳男性】3ヶ月前より噛んだ時に右下(#46)の違和感を主訴に来院。遠心根に問題がありそうだ。遠心舌側根付近にフィステル。図4初診時CT画像(平成25年4月25日)図5歯髄診断図6天蓋除去すると遠心舌側根を中心に遠心頬側根、近心根方向に骨の破壊が進行しているようにみられる。2Dのパントモやデンタルではこのような歯槽骨の破壊の様相は把握できない。咬合診査から中心位の早期接触と左側方運動時に#46の機能咬頭内斜面遠心に強い咬頭干渉があった。相当する場所のインレー付近と頬側歯質にはクラックが入っている。パルプテスターと冷反応の両方から無髄歯化していることを確認し、歯内療法に入った。インレーを外して天蓋除去をすると、遠心に歯髄腔に達するクラックが入っているのが確認された。無髄歯化した原因は側方運動時に非作業側で咬頭干渉(頬側遠心より)であり、インレーを介在しての深いクラックから細菌が歯髄に侵入して感染した結果、無髄歯化したと考える。