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には、あらかじめフィルムで被覆し、処置後にフィルムは破棄し感染を抑制する(インプラント埋入手術時には滅菌覆布によるドレーピングを実施し、術後それらは破棄する)(図3)。手技に対して:注射針やメス刃、鋭利な器具による針刺し事故、接触事故、器具の落下による事故に十分注意する。思わぬ落下事故を防止するためにも患者の体の上での受け渡しは行わずに、器具の受け渡しの際には、声掛けを行う。鋭利な器具を設置する中間受け渡しゾーンを設け、接触事故を防止する(図4)。■処置後患者に対して:止血の確認を行い、血圧など問題のないことを確認したうえで術者の指示に従い、帰宅させる。処置後の注意事項、処方薬の説明を行い、帰宅後に患者や、家族が再確認できるように用紙に記したものも合わせて渡す。また、患者が不安時にすぐ連絡できるよう、緊急時連絡先も合わせて書面に記しておく。環境に対して:フィルムで被覆した以外の箇所(壁や床など)に、血液が飛散し付着した場合には、次亜塩素酸系薬剤を希釈し(1,000ppm)汚染箇所を拭き取り、その後、同箇所を温湯で拭き清浄化を行うことが推奨されている(図5)。使用器材に対して:メス刃、注射針、使用ガーゼなど、血液等の付着した廃棄物は「感染性廃棄物」として取り扱うため、専用容器に保管し専門業者による引き取りを依頼する(図6)。再生処理を行う器具については、器具表面に血液、たんぱく、などを残留させたまま次の患者に持ち込むことのないように、速やかに適正濃度に希釈され、適正温度(40~50℃)で管理された酵素系洗浄剤に適正時間(通常20分程度)浸漬(または超音波洗浄器にかける)させ、十分なすすぎ、乾燥の後に滅菌包装を行い、滅菌処理を施す。滅菌後の器具については、湿潤な場所、直射日光の当たる場所を避け、扉付き棚などの埃のたからない清潔な場所で保管を行う(表1)。*洗浄~乾燥までの工程をウォッシャーディスインフェクター(WD)で行うことで、作業者にとっても安全で確実な洗浄を得ることができる。他の歯科治療と比べ観血処置は、患者にとっても、医療従事者にとっても、様々なリスクが存在する処置といえます。そのため患者の不安も大きく、治療に際し患者の不安心を少しでも和らげるためにも、アシスタントも正しい知識を学び続け、対応に当たることが大切なのではないでしょうか。参考文献1.医歯薬出版歯界展望Vol.121,122 2013年1月~2013年8月インプラント療法の原点を訪ねて13~20小宮山彌太郎著2.デンタルダイヤモンド社インプラント修復の臨床基本手技1診査・診断2013年監修:小宮山彌太郎編集:松永興昌3.へるす出版新版消毒と滅菌のガイドライン2012年編集:小林寛伊図4中間受け渡しゾーン図5処置後の環境消毒薬の一例図6感染性廃棄物の取り扱いメスや注射筒などを設置する中間受け渡しゾーンを設け、鋭利な器具による接触事故を防止する。処置後、ラップフィルム以外の箇所(壁や床など)に血液が付着した場合、1,000ppmに希釈した次亜塩素酸系の薬剤で汚染された箇所を局所的に拭き取り、その後温湯で拭き清浄化する。メス刃、注射針、使用ガーゼなど血液の付着した廃棄物は、感染性廃棄物として、専用容器(右)に保管し専門業者による引き取りを依頼する。乾燥包装滅菌保管滅菌を施す(高圧蒸気滅菌など、適正な滅菌方法を選択する)。エアーブローを用いて十分な乾燥を行う。滅菌バックや、不織布、金属カスト、滅菌用コンテナなどに、洗浄~乾燥の終わった器具を入れる。滅菌の完了した器具は、湿潤な直射日光の当たる場所を避け、埃のたからない清潔な場所で保管を行う。