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当院の感染予防対策第5回観血処置で注意すべきこと山口千緒里日本医療機器学会認定第2種滅菌技士/歯科衛生士/ブローネマルクオッセオインテグレイションセンター勤務小宮山彌太郎ブローネマルクオッセオインテグレイションセンター/東京都千代田区開業「観血処置とは:人体を傷つけ出血させて治療する方法の総称」と記されており、一般的な歯科治療では、スケーリング、抜歯、インプラント手術などが挙げられます。出血を伴う処置ということで、創面の感染を予防するために細心の注意を払うことはもちろんですが、血液を媒介とした他者(他の患者、医療従事者)への感染を防止することも忘れてはなりません。本稿では、処置前、処置中、処置後に分けて、アシスタントも認識すべき注意点について考えてみます。■処置前問診や検査データから、患者の口腔内の状況に加え、全身状態についても把握する。●問診(図1)から、現病歴、既往歴、服用薬、アレルギーの有無、歯科麻酔に対しての既往などを確認し、検査データからは、現在の全身の状態、検査時の感染性疾患の有無などの確認を行う。また、歯科医師の指示のもとに、医科かかりつけ医師との対診など密な連携をはかる。●平常時の値として、処置日までに、血圧、脈拍、体温の測定を行い記録する。インプラント埋入手術に際しては、事前に口腔衛生の改善をはかるために衛生指導を行い、手術1週間前までには縁下に対するスケーラー使用を終えておく。当日は、歯科衛生士による薬剤を用いた徹底的な術前ブラッシングに留め、汚染のない状態で手術を行う。■処置中医療従事者に対して:標準予防策に準じて処置に携わるものは、マスク、ゴーグル、手袋といった個人用防護具を着用し、血液等の付着した器材を素手では触れない(インプラント手術については、滅菌ガウン、滅菌手袋を着用)(図2)。環境に対して:血液等の付着した手袋で触れる可能性のある箇所(ライトハンドルやユニットの操作スイッチ、サクションハンドルなど)図1問診票図2観血処置に携わる服装図3観血処置を行う環境観血処置に携わる医療従事者は、標準予防策に準じて、マスク、ゴーグル、手袋といった個人用防護具を着用する(左)。インプラント手術時には滅菌ガウン、滅菌手袋を着用する(右)。血液などが付着した手袋で触れる可能性のある箇所には、あらかじめフィルムで被覆し、処置後、破棄する。インプラント埋入手術時には、滅菌覆布によるドレーピングを行う。表1器具再生処理の流れ洗浄すすぎ40~50℃のお湯で適正濃度に希釈した酵素系洗浄剤に20分間浸漬させる。超音波洗浄器で洗浄する場合には、希釈した洗浄剤を使用し、10~20分間洗浄を行う。*キャビテーション効果による細部にわたる洗浄が期待できる。洗浄~乾燥工程完了までをウォッシャーディスインフェクター(WD)を用いることで、93℃10分の熱水消毒効果も得られ、作業者にとっても安全で確実な洗浄を得ることができる。洗剤成分の残留がないように、軟毛ブラシなどを用いて、流水下での十分なすすぎを行う。最終すすぎには、精製水を用いることで、器具表面への水道水中のカルシウム成分の付着を防止する。