Dental Products News202

Dental Products News202 page 7/28

電子ブックを開く

このページは Dental Products News202 の電子ブックに掲載されている7ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
Dental Products News202

コンビームCT撮影は、インプラントや歯内療法において不可欠ですが、小児歯科領域でも、永久歯の形態異常・埋伏過剰歯・萌出障害・含歯性嚢胞など多くの症例で有用です。パノラマやデンタル撮影後に、さらに精査が必要と認められた時にCT撮影ができれば、保護者への説得力はその3D画像に優るものはなく、また術者にとっても、正確な診断および治療計画の作成のために、CTの情報は不可欠です。今回は、上顎前歯部の埋伏過剰歯の2症例と、3D画像で保護者の理解を深められた上顎犬歯の萌出方向異常の1症例をご紹介します。症例2初診5歳11ヵ月男児検診で来院。パノラマ撮影したところ、上顎前歯部に逆性過剰歯が2本埋伏しているのが認められます。1年半後の7歳5ヵ月のパノラマでは、左側の過剰歯が不鮮明になり、CTでは2本とも口蓋に移動していることがわかります。このように、パノラマ上から消えた過剰歯は、その撮影軌道からはずれただけで、実際は口蓋後方に移動しています。歯列・咬合への影響がなくても、上顎骨鼻腔側あるいは、口腔内への萌出が疑われるものもあり、摘出手術を考えるうえで、その詳細の把握にCT撮影が不可欠です。図10図11図125歳11ヵ月上顎前歯部に2本の埋伏過剰歯が認められます。7歳5ヵ月1部にあった過剰歯が行方不明に。7歳5ヵ月3D画像では、過剰歯は口蓋上方および、口蓋後方へ移動中。症例3初診8歳9ヵ月女児2 2反対咬合を主訴に来院。資料採得し、骨格的には問題なく歯槽性の反対咬合と診断。リンガルアーチと2×4にて、被蓋を改善した症例です。初診時のパノラマでは、3歯胚がやや後上方に位置していますが、9歳11ヵ月には明らかに3歯胚の方向異常が疑われます。パノラマから近遠心の傾斜はイメージできても、唇舌的傾斜をイメージするのは難しいのが現実です。3D画像では、3は歯冠を唇側水平方向に向けていることが一目瞭然です。保護者にもこの画像で、今後の歯胚の動きによっては、外科的処置が必要なことを理解していただくことができました。図13図14図158歳9ヵ月3歯胚は、4の上方に位置しています。9歳11ヵ月クロスバイトは治りましたが、3歯胚の方向に異常が認められます。10歳7ヵ月CTの3D画像で、3は上顎骨の上方で歯冠を水平に向けて埋伏しているのがわかります。