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概要:
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あることも知られています。そのために、器具の変形、不具合を来す可能性があります。小型高圧蒸気滅菌器のヨーロッパ基準EN13060に準じたクラスB滅菌器では、中空を有する器材、多孔性の器材にも滅菌が可能で、この滅菌サイクルのことを「Bサイクル滅菌」といいます。重力置換式高圧蒸気滅菌器とプレポストバキューム式(クラスB)高圧蒸気滅菌器では滅菌できるものに違いがあります(表2)。例えば、ハンドピース中空内部(図8)や布製品、形態が複雑な器具の細部、サクションチップ中空内部(図9)はクラスBの滅菌器でなければ滅菌ができません。また、最近よく使用されている、新式のインプラント手術の形成用ドリルなど小器材を格納するケース(図10・図11)も、中空を有し、形が複雑であることから、クラスBの滅菌器でなければ滅菌はできないでしょう。どんな方法であっても、滅菌を行う前には、汚れを確実に除去する「洗浄」を行うことは、もちろんであり、滅菌時には、滅菌インジケーター(図12)を包装の内部と外部に設置し(図13)、滅菌後の見極めの目安とします。滅菌された器材は、乾燥した清潔な場所で保管し、滅菌包装開封時には取扱い操作に十分な注意を払わなければなりません。これらの一連の作業が整ってはじめて質の高い滅菌が得られ、患者に安全な治療を提供することができるのではないでしょうか。参考文献1.医療現場の清浄と滅菌著者:Jan huijs監修:高階雅紀中山書店2.新版消毒と滅菌のガイドライン編集:小林寛尹へるす出版3.ICT・中材担当者のための洗浄・消毒・滅菌Do Notエビデンス125編集:大久保憲MCメディカ出版4.DPN Dental Hygienist 37著:柏井伸子図8クラスBの滅菌器でなければ滅菌できないもの一例ハンドピース(中空を有する器材)図9クラスBの滅菌器でなければ滅菌できないもの一例サクションチップ(中空を有する器材)毎日使用するハンドピースは中空を有する器材に分類される。これらの中空内面はクラスBの滅菌器でなければ、滅菌はできない。サクションチップの内面も中空となるため、Bサイクルの滅菌器でなければ滅菌はできない。図10インプラント手術用小器材格納ケース図11初期のインプラントオーガナイザー最近よく使用されているインプラント手術用の小器材格納ケースのドリル立て部分などは、クラスBの滅菌器でなければ滅菌することはできない。初期のインプラント手術用小器材格納ケース(オーガナイザー)は、滅菌が施しやすい形態であった。図12化学的滅菌インジケーター(CI)の一例図13滅菌包装の内部と外部にインジケーターを設置(内部に)インジケーター(外部に)インジケーター滅菌方法(EOG滅菌・高圧蒸気滅菌など)や設定温度、被滅菌物の使用目的などによってインジケーターを選択する。*インプラント器材にはクラス4以上のインジケーターを推奨滅菌包装の内部と外部にインジケーターを設置する。内部(パックコントロール):滅菌剤が包装内部に浸透したかどうかを見極める。外部(外部コントロール):滅菌物が滅菌の工程を通過したものか、そうでないものかを見極める。