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概要:
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せん。高圧蒸気滅菌を施す滅菌器には、大別して重力置換式の滅菌器と、プレポストバキューム式(クラスB)の滅菌器(図3)があります。重力置換式高圧蒸気滅菌器とは、滅菌器庫内に飽和蒸気が入ることで、同一温度下では飽和蒸気の2倍の質量を持つ庫内残留空気が重力で下方に排除されていき、滅菌器庫内を飽和蒸気で満たし、器材表面を滅菌する滅菌器です(図4)。現在、我が国の多くの歯科医院で使用されています。重力置換式高圧蒸気滅菌器の使用時の注意点としては、強制的に庫内残留空気を排除する方法ではないため、中空を有するものや多孔性の器材などには、空気が残留しやすく、飽和蒸気が被滅菌物にいきわたらず正しく接触できないので、滅菌が得られません。そのため、これらの器材への使用は不適切とされています。プレポストバキューム式(クラスB)の滅菌器とは、滅菌前に滅菌器庫内の残留空気を強制的にポンプで排除し、真空状態のところに飽和蒸気を供給し、この作業を相互に数回繰り返すことで、被滅菌物の細部にわたる部分まで飽和蒸気を浸透させ滅菌する滅菌器です。滅菌工程や乾燥工程でも庫内の温度をコントロールしながら行うため、乾燥工程での過度な温度上昇なども防ぎます(図5・図6)。クラスBの高圧滅菌器が一般的な欧米の器具には、耐熱温度が記されていますが(図7)、クラスBの高圧滅菌器以外で行った場合、乾燥工程でかなりの高温になるものが図4重力置換式高圧蒸気滅菌器の場合図5プレポストバキューム式高圧蒸気滅菌器の場合クラスB(日本での普及率は低くわずか数%)飽和蒸気滅菌バック飽和蒸気滅菌バック被滅菌物被滅菌物庫内残留空気まず全ての庫内残留空気を排除する飽和蒸気(空気よりも軽い)を送入することで、庫内の残留空気を排除する。●多孔体、中空を有する器材の滅菌はできない。●滅菌バック内に空気が残留し滅菌が得られていない可能性もある。(原則として、重力置換式高圧蒸気滅菌器の場合には、滅菌バックは使用しない)滅菌前に、庫内の空気を強制的に排除し、飽和蒸気を送入する。この操作を数回繰り返すことで、中空内部など細部に飽和蒸気を浸透させ、確実な滅菌が得られる。図6プレポストバキューム式(クラスB)の高圧蒸気滅菌器図7庫内圧力の時間変化グラフ滅菌の耐熱温度表示滅菌P(bar)0プレバキューム乾燥時間器具表面には滅菌の耐熱温度が記されているものがある。クラスBの高圧滅菌器以外のものでは、乾燥工程で温度が高温になるものがあり、器具の変形、不具合を来す可能性がある。表2滅菌器クラス別、被滅菌物の一例(E N13060基準に準じて)滅菌器クラスB(Big)固形、多孔体、中空非包装、包装(一重、多重)S(Specific)メーカー特定の製品で非包装の中空物、包装された固形物N(Naked)非包装の固形物のみ*従来の小型卓上の高圧蒸気滅菌器はNに属する例?ハンドピース?バキュームチップ?布製品(オイフ、ガウン)?その他、クラスS・Nで滅菌できるもの?ミラー、ピンセットなど一般的な歯科用診査器具(包装)?非包装のハンドピース?ミラー、ピンセットなど一般的な歯科用診査器材(非包装)