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→「コンサルテーション(説明と同意)」→「治療」→「メンテナンス」である。その診断を正確に行うことの大切さは言うまでもない。診断によってコンサルテーションの内容が左右される。患者にとって自身の歯牙や骨の状態を3D画像による説明を受けることで現状を把握しやすく治療に対する同意が得られやすい。また、術者にとってより正確な状態を自信をもって伝えることができる。つまり「やってみなければわからない」→「事前にわかっている」へのシフトである。CTの導入により、事前に多くの情報を得ることができる。起こりうる状況を事前に予測することができるため、多くの場合、事前対応が可能になる。正確な診断によってもたらされた治療結果がより満足いくものとなることは明白である。このような時代だからこそ患者の求めるものを満たしていくことに焦点を置いた治療体制の構築が必要である。精度の高い診断と質の高い医療の提供が我々プロとしての役割である。歯科用CTは何でも判る魔法の器械ではないが、診断力を高め、より患者満足度の高い上質な医療の提供をもたらす一つのツールであることは明らかである。上顎洞炎左上奥歯、咬合時の違和感を主訴に来院。図7:レントゲン像で左上第二大臼歯の根尖部に透過像が認められる。プロービング値は遠心口蓋部で6mm、動揺度(+)である。図8:頬側根の根尖病変から上顎洞への穿孔と上顎洞底に粘膜肥厚が認められ、歯性上顎洞炎と診断した。口蓋根に穿孔も認められ抜歯することになった。図9:抜歯後3か月。原因歯の抜歯と抗菌薬の投与により、上顎洞底の粘膜肥厚はほぼ消失し、ソケットリフトによるインプラント治療を行うことになった。埋伏智歯以前より右上奥歯から頬にかけての違和感があり最近疼痛がひどくなったとのことで来院。図1 0:右上完全埋伏智歯が原因と思われ抜歯することになった。埋伏智歯の存在は確認できるが、萌出方向や解剖学的制約ははっきりしない。以前であれば歯科口腔外科に紹介していたケースである。図1 2:抜歯後1週間で、以前あった疼痛や違和感は消失した。図1 1:歯牙と隣在歯、上顎骨の後壁や上顎洞下底との位置関係が把握できる。VR像から歯冠が頬側方向に少し傾斜してわずかに骨から露出していることがうかがえる。切開線の位置やヘーベルのかける方向が事前にわかり効率よく、より安全に抜歯することができる。エンド右下あたりの歯肉の腫脹と疼痛を主訴に来院。図13:右下犬歯と第一小臼歯の中間あたりの根尖部が腫脹している。ブラキシズムがあり咬耗が認められる。疼痛があり電気歯髄診では正確に測定出来ない。打診痛(++)、プロービング値は正常である。図14:レントゲン上では際立った病変は認められないが、第一小臼歯の根尖部に若干びまん性の透過像が認められる。図15:第一小臼歯の根尖病変が拡がって頬側皮質骨を穿孔していることが判る。歯根破折は認められない。病変は犬歯までは拡がっていないことを確認し、第一小臼歯の急性根尖性歯周炎と診断した。図16:通法通り根管治療を行った所、症状の改善がみられ、根充を行った。