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MIコンセプトに基づく低侵襲な根管治療エンドアクセスバー1の活用岡口守雄辺見浩一岡口歯科クリニック?東京都千代田区開業歯内治療において、根管にアクセスする際最も重要なステップは、根管口上部拡大である。エンド三角を除去しストレートラインアクセスを達成することで、その後の拡大形成処置をスムーズに行うことが可能となる。また、フィン、イスムス、複根管といった複雑な解剖学的形態に対しても、まず最初に上部の窩洞整理を行い、スムーズに根管の中へアクセスしていくことが重要である。エンドアクセスバーは、根管治療における窩洞上部整理をマイクロスコープを使用した拡大視野下で行うことを目的に開発されたバーである。拡大視野下で視野を妨げぬよう長いシャンクを持ち、ピンポイントで狙ったところだけを切削することが可能となっている。長さはS(臼歯部,24mm)、M(前・臼歯部,28mm)、L(前歯部,32mm)の3種類があり部位に応じて使用する。本稿で紹介するエンドアクセスバー1は尖端が細いつぼみ状で、上顎大臼歯近心頬側根のフィンの上部拡大、上顎小臼歯、下顎大臼歯近心根におけるイスムスのセパレートなど、細かい切削が必要な部位に向いている。使用法としては、まず本誌200号(H25.5.10発行)で紹介した円柱状のエンドアクセスバー2を使用し、窩洞の上部を拡大した後にエンドアクセスバー1を用いて細部の切削を行うとより安全に使用できる。その際、強く押しつけたりせず、シャンク部に負担が掛からないよう低速でソフトな切削を行うことをお勧めする。筆者の拡大視野下での根管治療において欠かせないツールである。実際に臨床のどのような場面でエンドアクセスバー1を使用するか、その代表的な使用例を3症例紹介したい。図1図2-1図2-2図2-31L1M1Sエンドアクセス1:バーの長さ1L:32mm(前歯用)、1M:28mm(前・臼歯用)、1S:24mm(臼歯用)図3-1上顎右側第一小臼歯、イスムス内部に感染源を認める。エンドアクセスバー1を用いてイスムスをカットする。尖端が細くピンポイントにカットを行うことができる。図3-2図3-3図3-4イスムスをカットすることで、内部に残存していた感染源除去を行うことが可能となった。上顎右側第一大臼歯。近心頬側根より口蓋側方向に伸びるフィンを認める。図4-1フィン上部をエンドアクセスバー2を用いて拡大した後に、エンドアクセスバー1を用いて細部の拡大を行う。フィン内部に空間を認める。O Kマイクロエキスカを用いて、内部の感染源を除去する。図4-2図4-3図4-4さらに、フィンの内部に未処置の根尖孔を発見し、拡大を行った。下顎左側第二大臼歯樋状根。エンドアクセスバー1を使用し、不十分な窩洞上部拡大を修正する。O Kマイクロエキスカを用いて、アンダーカット部の感染源を除去する。拡大形成終了、適切な上部拡大により内部の感染源へスムーズにアクセスすることが可能となった。