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N(アイコン)の使用方法代表森純歯科衛生士/銀座並木通り坂本矯正歯科クリニック勤務今回は、唇側面(平滑面)歯頚部への使用手順を紹介する。まず15%塩酸エッチング剤を2分間塗布し、完全に細菌による感染が除去され歯面が白くきれいにならなければエッチングを繰り返してもよい(図11~図14)。次にアイコンドライ(エタノール)を30秒放置し塗布面を完全に脱水・乾燥させ(図15)、最後に低粘度アイコン・インフィルトラントを3分間塗布後40秒以上光照射する(図16・17)。ICONの特筆すべきことは、除菌効果の高さと封鎖性である。ICON自体はフッ素徐放性やフッ素リチャージといったカリエス予防機能を持っていないが、15%塩酸エッチング剤により脱灰部分を除菌し空隙を作ることでレジンとの密着性を高め、エナメル欠損部からのミネラルの溶出を防ぎ、き弱化したエナメル構造を補強することで、2次カリエスの発生を防止することが期待できる。ICONコーティング前に歯肉炎の改善(図7~図9参照)や、更にこの状況を持続させるためのホームケアの徹底は重要であり、塗布後のフッ化物使用等の口腔ケアは徹底して行わなくてはならないことは言うまでもない(図18)。残念なことに日本では、ICON治療の保険診療は認められていないので、1セットを1患者に使用するいわゆる自費治療であるため、治療費が高額となる。完全な脱灰治療がないことで、カリエスを繰り返していくリスクを負うよりICONを使用することの価値を患者も歯科医院も理解すれば保険適応ではない点も解決できるのではないか。もちろん、当医院の患者の満足度は高い。図10歯肉の保護図11エッチング1回目図12エッチング1回目後歯肉の化学的火傷防止&防湿(ブロックアウトレジン塗布)。15%塩酸によるエッチング1回目(2分間)。図132回目のエッチング図143回目のエッチング後図15ドライで乾燥水洗後エッチング2回目(2分間)。3回目エッチング後、感染が除去され白い歯面になった。アイコンドライ塗布。図16アイコン塗布図17術後図18ソニッケアーの使用アイコン・インフィルトラント塗布。アイコン・インフィルトラント塗布後、感染が除去され脱灰が完全に封鎖された。充填後のアイコンの剥離を気にせず、念入りな手入れが必要。