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を進めるためにも、正しい洗浄、消毒、滅菌を行うことは必要不可欠と言えるのではないでしょうか。そのためには、標準予防策(スタンダード・プレコーション)(図1)の考え方に基づいて、洗浄、消毒、滅菌の意味(図2)を正しく理解し、スポルディングの分類(表1)(図3)に応じた適切な器材の処理を行う必要があります。全ての使用器材は、消毒、滅菌の前に、確実な洗浄を行うことがとても重要です。器材に付着した汚れ、有機物(血液など)を適切な洗浄剤(図4)を用いて十分に洗浄します。汚れが残留した状態では、期待した消毒の効果が得られず、滅菌不良を起こす原因となるばかりでなく、器材表面に汚れ(たんぱく質など)を固着させ、汚れを残したまま別の患者に使用することになり、危険が生じます。使用した器材は、器材表面の汚れが乾燥、固着して洗浄が困難にならないように、長時間放置せず、速やかに洗浄処理を行います。洗浄方法には大きく分けて、用手洗浄(浸漬洗浄含む)(図5)、機械洗浄(超音波洗浄)(図6)、(ウォッシャーディスインフェクター)(WD)による洗浄(図7)の3種類が挙げられ、各々の施設環境や器材の材質に適した洗浄方法を選択します。参考文献1. CDC.Guigeline for Disinfection and Sterilization in HealthcareFacilities 2008.(PDF)2.歯科医療現場における感染制御のためのCDCガイドラインMCメディカ出版:田口正博、西原達次、吉田俊介、小林寛伊(翻訳)3.新版消毒と滅菌のガイドラインへるす出版:小林寛伊、大久保憲、尾家重治(編集)図4図5浸漬洗浄剤の一例用手洗浄(浸漬洗浄など一次洗浄)酵素系除菌系酵素系浸漬洗浄剤を使用する場合には、適正濃度を厳守し、適正温度(40~50℃)で使用する。適正時間(20分程度)を目安とし、使用後は十分なすすぎを行う。*やむをえず低温で使用する場合には浸漬時間を延長させる。洗浄剤の効力は6時間程度を目安として交換する。使用器材を酵素系洗浄剤に浸漬させる場合には、蓋付容器を用いて、メーカー指定濃度に40~50℃の温水で希釈した洗浄剤の中に、開放した状態で20分間浸漬させる。その後、十分なすすぎを行う。図6超音波洗浄図7ウォッシャーディスインフェクター(WD)による洗浄超音波洗浄器でのキャビテーション効果。繊細な器材の洗浄に適している。ウォッシャーディスインフェクター使用の利点:洗浄、すすぎ、熱水処理、乾燥までの工程を自動処理するため、針刺し事故などのリスクが減少する。熱水消毒(93℃10分)効果が得られる。作業者による差が生じないため、一定の洗浄効果が得られる。節水の効果が期待でき、環境保護の観点からも好ましい。